グローバル給与処理 16 min

グローバル給与計算のトレンド: 企業が知っておくべきこと

執筆者: James Doman-Pipe
2024年7月18日
James Doman-Pipe

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複数の国で事業を展開している場合、グローバル給与計算は非常に重要です。

十分に管理されたグローバル給与計算システムがあれば、現地の税法や労働法を遵守し、複雑な管理プロセスを合理化し、従業員に正確かつタイムリーに給与を支給できます。

しかし、グローバル給与計算のトレンドは急速に変化します。コンプライアンスを確保して最も効果的なプロセスを導入するには、グローバル給与計算を確立し、提供する原動力を理解する必要があります。

本記事では、現在のグローバル給与計算業界における最重要トレンドと、企業が一歩先を行く方法についてご紹介します。

現在のグローバル給与計算における最大のトレンド

給与に対する従来のアプローチは急速に進化しています。このような動きを認識し、理解し、自社のプロセスに導入することは極めて重要です。

以下に、給与計算のトレンドをご紹介します。

クラウドベースのグローバル給与計算ソフトウェアの登場

クラウドベースのグローバル給与計算プログラムによって、世界中の従業員に対する給与支給が簡素化・合理化され、給与計算プロセスを管理しやすくなりました。

クラウドベースのアプローチへの移行により、組織は具体的に次のようなメリットを得られます。

  • アクセシビリティポイントの増加

  • 最新のセキュリティ強化

  • レポート作成の簡素化

  • 計算精度の向上

  • 拡張性の向上

  • ユーザー管理の容易化

クラウドベースのアプローチでは、社内でソフトウェアやハードウェアのインフラを構築・保守する必要もなく、給与計算プロバイダーが技術負担を引き受けて管理します。これにより、大幅なコスト削減が可能になります。

自動化とAIの統合

グローバル給与計算における最大のトレンドの1つは、自動化です。自動化により、国際給与を数週間ではなく数時間で処理できるようになり、時間、費用、リソースを大幅に節約できます。

また、自動化は、給与計算の他の面にもプラスの影響を与えます。たとえば、複雑な手作業を自動化すれば、人為的ミスが発生するリスクを軽減し、データの精度を向上できます。

最新のプラットフォームには、給与計算の自動化以外にもAI機能が搭載されています。税務コンプライアンス、従業員福利厚生管理、包括的なレポート作成・予算管理などを支援します。

給与計算における技術的進歩の例は、以下のとおりです。

  • 自然言語処理: チャットボットとバーチャルアシスタントを使用して、給与に関する従業員の質問に対応します。これにより、従業員の満足度を高めると同時に、人事担当者の時間を節約できます。

  • RPA(ロボティックプロセスオートメーション): タイムシート管理、給与計算、従業員のオンボーディング、解雇手続きなどの管理業務を効率化します。また、RPAを利用することで、人事データの保存と取得も手軽に行えるようになります。

  • 機械学習: 半数以上の企業が、従業員による労働時間の水増しなどの不正行為の管理に利用しています。また、給与計算に影響する欠勤やその他の要因の予測にも活用でき、事前の計画立案に役立ちます。

給与計算に対するこの革新的なアプローチは、現在の競争の激しいビジネス環境で不可欠なスピードを提供し、コスト効率を高めてくれます。

給与計算の効率化

企業は、処理速度の高い給与計算システムへと移行しつつあります。直接振り込みやモバイル決済だけでなく、即日支給、給与支給サイクルの短縮、給与前払いなど、さらに高度な機能が注目を集めています。

ソフトウェアによる給与計算の効率化

現在の重要なトレンドは、給与支給日の前に従業員が給与にアクセスできる機会を提供する、オンデマンドペイです。オンデマンドペイは特に、生活にあまり余裕がない従業員に有益です。また、契約社員と仕事をする場合にも有用です。プロジェクト終了直後に給与を支給することで、強固な協力関係を築くことができます。

オンデマンドペイは、従業員がキャッシュフローの問題を解決し、家計管理を改善し、ストレスを最小限に抑えられるよう支援します。上記のすべてが、最終的に生産性とエンゲージメントの向上につながります。

支払いシステムの合理化は、従業員の経済的な健全性確保に対する企業の取り組みを示す上で効果的です。費用対効果が高く、全体的なワークフローを妨げることもありません。

同時に、処理を高速化することで、さらにタイムリーにレポート作成を行うことも可能になります。これにより、人事チームはミスを発見し、必要に応じて対策を講じやすくなります。

給与計算プラットフォームによっては、従業員の希望に応じて給与支給スケジュールをカスタマイズできる場合もあります。こうした特段の柔軟性を示すと、採用候補者に訴求し、優秀な人材を引き付ける上で有効です。

リモートワーカーとハイブリッドワーカーの管理

労働環境は急速に変化しており、2025年までに82%の企業がハイブリッド勤務を採用すると予想されています。こうした変化は、給与計算ソフトウェアに対してさらに柔軟で革新的なアプローチを求めます。

たとえば、多くの従業員がさまざまな場所やタイムゾーンで勤務している現在、モバイルアクセスはこれまで以上に重要性を増しています。チームメンバーが、給与明細の閲覧、情報の更新、休暇の申請などを携帯電話からシームレスに行えるようにする必要があります。

また、ビジネスのグローバル化に伴い、従業員もグローバル化しています。同じ雇用主のもとで他国で転勤することは一般的になりつつあり、こうしたグローバルモビリティに対する流動的なアプローチは、企業の給与体系の仕組みにも反映されています。

こうした変化は、新たな課題をもたらしています。雇用主は、さまざまな税制、従業員分類、複数国間での給与支給に関する要件を理解する必要があります。国によっては、給与支給の仕組みやタイミングに影響を与える雇用法が存在します。

さらに、従業員が複数の拠点で勤務している場合、標準的な勤怠管理は行えません。そのため、こうした複雑な問題を解決できる高度な給与システムの導入が極めて重要なのです。

経験豊富なグローバル給与計算パートナーの支援があれば、企業はこうした課題に容易に対処できます。Remoteには現地労働法の専門家が存在し、国際的な雇用と支払いが法令を遵守し、スムーズに行われるよう支援します。

従業員のオンボーディング体験の改善

グローバル給与計算のトレンドは、従業員のオンボーディングにプラスの影響を与えており、デジタルツールやリソースがその多くを担っています。

ほとんどのグローバル給与計算ソリューションは、オンボーディングプロセスの多くの重要な要素を処理し、自動化するため、企業は、新入社員の勤務地を問わず、一人ひとりに合わせてパーソナライズした体験を提供することに集中できます。

オンボーディング体験が好印象であれば、チームメンバーのロイヤルティや仕事に対する満足度が高まります。これにより、魅力的かつ成功につながる企業文化が醸成され、従業員が評価されていると実感できるようになり、定着率が高まります。

従業員セルフサービスポータル

従業員セルフサービスポータルは、特にリモートワーカーの間で浸透しつつあります。これを利用することで、従業員は給与を管理しやすくなり、福利厚生管理も簡素化できるようになりました。

従業員セルフサービスポータル

セルフサービスポータルを利用すれば、従業員は個人情報の更新、給与データの閲覧、経費申請、勤怠管理などを自分で行えます。

Remoteのようなプラットフォームでは、従業員は時間帯ごとにメモを追加したり、通常勤務時間と時間外労働の内訳を確認したりすることもできます。さらに、ポータル内でシームレスに休暇を申請できます。Remoteの直感的なカレンダー表示では、申請状況や使用した休暇の合計、休暇の残日数を簡単に確認できます。

こうした機能はすべて、給与計算上の課題や混乱を未然に防ぐうえで役立ちます。また、管理業務や繰り返しの問い合わせを削減することで、人事チームの効率も向上します。

さらに、従業員セルフサービスポータルでは、従業員は、自己評価やその他のタイプの自身のパフォーマンス関連データに直接アクセスしやすくなります。これにより、生産性が向上し、業務上の能力開発目標も達成しやすくなります。

こうしたポータルは、標準の給与体系に組み込まれておらず、一般的な就業時間中に勤務しない契約社員やフリーランサーを管理する際に特に便利です。

また、複数の拠点に国際従業員がいる場合、Remoteの使いやすいモバイルアプリを利用すれば、従業員はどこからでも給与明細書の閲覧、経費申請、有給休暇申請ができます。

コンプライアンス違反リスクの最小化

現地の労働法や税法に違反した企業は、多くの場合、ペナルティや罰金を科され、風評被害に見舞われます。しかし、各国の法律は頻繁に改正されるため、法律上の義務を常に把握することは容易ではありません。

幸い、グローバル給与計算技術の進歩により、企業はこうしたリスクを最小化できるようになりました。Remoteが提供するような信頼性の高いクラウドベースのプラットフォームは、法改正や更新を常に把握し、給与計算にシームレスに反映できます。

また、クラウドベースの給与計算ソリューションを利用すると、企業は各国の労働法の遵守もしやすくなります。

たとえば、インドとフィリピンに従業員がいるとします。インドの法律では、従業員の労働時間は1日10時間までと規定されていますが、フィリピンの法律では、8時間を超えると割増の時間外労働手当が支払われます。

Remoteのようなプラットフォームを利用すれば、こうした現地の規制に基づいて受給資格を調整し、すべての国でコンプライアンスを確保できます。

統合に特化したソフトウェア

統合型人事・給与システムは、グローバル給与計算業務において、プロセス全体をスムーズ化・高速化し、正確性を高める画期的な存在となっています。

従業員データを一元化することで、企業は人事部門を統合して、事務処理を軽減し、ミスを削減し、人事チームの満足度を高めることができます。

また、この機能によって有用なレポート情報が生成されるため、適切な計画を立て、報酬に関して賢明な意思決定を行うことができます。

データセキュリティへの注力を強化

情報の機密性を考えれば、給与計算チームにとってデータセキュリティは非常に重要です。

データ漏洩は、特にデータの取り扱いを誤ったり、現地の労働法に違反したりした場合には、ペナルティや罰金だけでなく、重大な法的責任を問われる可能性があります。

クラウドベースの給与計算ソリューションは、こうした問題を解消する方法として、次第に注目を集めつつあります。Remoteのような実績のあるプロバイダーは、堅牢性の高い最新のセキュリティと認証対策を導入しており、あらゆる段階で顧客のデータを保護し、GDPRのような地域の規則に準拠しています。

給与の透明性

現在の従業員は、給与の決定方法や自分のスキルの評価方法について、明確性を求めています。その結果、給与の透明性が高まり、雇用主の72%が求人情報に給与情報を掲載するようになりました。

また、企業は、給与の透明性を現在のチームメンバーの継続的な優先事項に設定しています。先進的な給与計算ソフトウェアには、給与の明細を伝えやすくなる強力なコンペティションツールが用意されており、人事担当者の管理負担を軽減できます。

企業が、全従業員が互いの給与を把握できるオープンなシステムを整備すれば、社内で公平性と平等性が優先されるようになります。これにより、給与格差を防ぎ、ロイヤルティを高め、企業全体の信用を高めることができます。

リアルタイム分析

最新の給与計算ソフトウェアでは、パフォーマンスに関するリアルタイムの情報にアクセスできるため、十分な情報に基づいた戦略的意思決定、コストの把握、状況の変化に基づく戦略の調整が可能になります。

リアルタイム分析により、財務計画の精度を高め、収益の改善を後押しします。

給与の分析は、時間外労働に関する法律を遵守しているかどうかを確認できるほか、給与格差や福利厚生制度の不備など、対処すべきその他の問題の発見に役立ちます。

従業員の平均コスト、部門ごとの総費用、あるいは月単位や年単位での経費の比較など、検討すべき有益な指標を挙げることができます。

Remoteを利用してグローバル給与業界のトレンドを先取り

こうしたグローバル給与計算のトレンドに的確に対応するには、実績のある信頼性の高いグローバル給与ソリューションへの投資が不可欠です。

適切な給与計算を行わないと、現地の労働法を遵守できない、従業員の給与の納税額や控除額を誤る、データセキュリティ侵害を受けるといったリスクが高まります。

Remoteなら、これまでご紹介したあらゆる課題に対するソリューションを提供できます。具体的には以下の通りです。

  • 社内に常在する、雇用を行う各国の現地の税金の専門家を直接利用可能

  • 法令の変化に合わせて給与計算プロセスを常に更新

  • 世界中のどこでも 一元化された単一の給与計算システムを使用(複数の通貨での支払いに対応)

  • 複数の人事プラットフォーム(およびAPIアクセス)とのシームレスな統合

  • 堅牢で安全なインフラ

  • 管理業務の自動化による多くの時間の節約

専用のグローバル給与計算ソリューションを活用する方法について詳しくは、Remoteの専門担当者にぜひご相談ください。Remoteの活用が企業にもたらす変革についてもご説明いたします。

G2からトップクラスの評価を得た複数国間の給与処理プロバイダーに、グローバルチームの給与支給をお任せください

Remoteで給与業務を統合すると、コスト削減、税金や福利厚生の管理、国際的な法令遵守が可能になります。

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