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ノルウェーにおける従業員の福利厚生: 理解しておくべき点

執筆者: Bruce Gilbert
Bruce Gilbert

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グローバル人材市場がかつてないほど拡大している今、成長志向の企業には、世界各地から新しいメンバーとして優秀な人材を発掘する絶好の機会が訪れています。

ノルウェーは、世界のはるか彼方にありますが、こうした機会を提供する国の1つです。優秀な専門人材が集まるスカンジナビアの経済大国は、記録的な水準の外国直接投資を推進し、好景気はさらに加速しています。

ノルウェーで従業員の雇用を検討している場合は、雇用の仕組みに福利厚生がどのように関わっているかを理解することが重要です。これにより、コンプライアンスを確保し、優秀なノルウェー人人材を引き付け、長期的に定着してもらうことができます。

本記事では、ノルウェーの従業員に福利厚生を提供する際の最重要かつノルウェーならではの注意点を、以下の項目に分けてご説明します。

  • ノルウェーにおける福利厚生の対象者

  • ノルウェーで企業に提供が義務付けられている福利厚生

  • 他社と差別化できる追加の福利厚生と特典

  • ノルウェー人労働者向けの福利厚生を設定して管理する方法

  • 全世界で優秀なチームを雇用する方法

ノルウェーにおける福利厚生の対象者

ノルウェーの労働法では、労働者は大きく2つのカテゴリーに分類されます。

  1. 従業員

  2. 契約社員

福利厚生や受給資格に関連するノルウェーの規制のほとんどは、フルタイム従業員にのみ適用されるものであり、契約社員は通常、雇用契約に規定された受給資格しか得られません。

しかし、だからといって、契約社員にも公平なグローバル福利厚生制度の開発をやめるべきではありません(これについては、国際契約社員に福利厚生を提供するガイドで詳しく説明しています)。

ノルウェーにおける法定および一般的な従業員福利厚生

人口の75%が雇用されているノルウェーは、世界で2番目に幸福度の高い労働国でもあります。このため、ノルウェーでの人材獲得競争は非常に厳しくなります。

ノルウェーへの進出を考えているなら、「白夜の国」の優秀な人材を引き付け、定着してもらうには、必要最低限以上の条件を提示することが求められます。

以下は、現地の雇用法に基づき、ノルウェーの労働者に支給することが義務付けられている従業員手当の解説です。

ノルウェーの休暇・休日

ノルウェーの祝日法によれば、従業員には少なくとも年間25営業日(土曜日は営業日に分類されるため、4週間と1日)の休日を取得する権利があります。従業員には、前年度の通常賃金の10.2%に相当する休暇手当が支給されます。

実際に、ノルウェーのほとんどの雇用主は従業員に少なくとも5週間、年間30日の休暇を保証しています。

これは、法定義務を上回る一般的な従業員福利厚生です。現地の人材を雇用しようとする企業は、これを雇用契約に盛り込んでおくといいでしょう。

さらに、年間30日まで休暇を取得した従業員には、前年度の通常報酬の12%に相当する休暇手当が日割で支給されます。

産前産後休暇・育児休暇

女性従業員には、出産3週間前から産後6週間まで、9週間の有給産前産後休暇を取得する権利があります。

父親には、パートナーの出産後、2週間の無給の父親育児休暇を取得する権利があります。

産前産後休暇と父親の育児休暇に加え、両親は48週間の有給育児休暇を取得でき、NVA(ノルウェー労働福祉局)から給付金を受給できます。

基本的な育児休暇に加え、各パートナーはそれぞれの育児のために最長12か月の無給の育児休暇を取得できます。

年金プランおよび退職保険

雇用主は、従業員の給与総額の最大14%を法定社会保障基金に拠出することが求められます。この基金には、傷病手当金、障害年金、退職年金、失業給付金、労災給付金、その他数種類の給付金があります。

ノルウェーの最低賃金

スカンジナビアの近隣諸国と同様に、ノルウェーでも数十年にわたり最低賃金が規定されていません。賃金は団体交渉で取り決められ、それ以外は雇用時の個別の合意によって決まります。

時間外労働手当

ノルウェーの通常の労働時間は1日9時間、週40時間に制限されています。時間外労働が必要な場合、時間外労働時間は次の条件を超過してはなりません。

  • 7日間につき10時間

  • 連続4週間につき25時間

  • 52週間につき200時間

従業員は、時間外労働に対して休暇(時間単位)または40%以上の割増賃金を受け取ることができます。

保険

ノルウェーの法定社会保障制度は、すべての従業員を対象とし、すべての国民と居住者に共通の障害保険、失業給付金、健康保険を提供しています。

ノルウェーで新しい人材を雇用する際にかかるコストの詳細を確認するには、無料の従業員コスト計算ツールをご利用ください。

ノルウェー人従業員向けに考慮すべき補足的な福利厚生

雇用率は世界第10位、労働者の幸福度は世界第2位、人材開発指数は常に上位にランクされるなど、ノルウェーの従業員は通常の職業生活の一部として、高い生活水準と質の高い福利厚生に慣れています。

つまり、ノルウェー最高の人材を引き付けたいのであれば、最低限の法定要件を満たす以上の福利厚生を提供すべきだということです。適切な福利厚生を提供することで、世界でも競争の激しい労働市場に数えられるノルウェーで、自社を魅力的な就職先としてアピールできます。

ノルウェーに集まる優秀な人材を雇用するチャンスを増やすために活用できる、その他の福利厚生をご紹介します。

民間健康保険と補完的な健康保険

ノルウェーの従業員は国民皆保険制度を利用でき、自己負担はごくわずかで済みます。その結果、ノルウェーの民間健康保険は非常に限られています。

補完的な民間健康保険は、転職を希望する従業員にとって必ずしも期待される福利厚生ではないため、標準的なグローバルプランにこだわるよりも、さまざまなインセンティブを提供した方が有益な可能性があります。

その他の有給休暇とフレックス休暇

ノルウェーの雇用法に基づく手厚い休暇制度に加え、柔軟な休暇制度があれば、ワークライフバランスを重視する従業員にとって魅力的な企業になります。

当社の非金銭的な福利厚生に関するガイドで説明しているように、ノルウェー人を含むリモートワーカーは、フレックスタイム制は法定でないにもかかわらず、こうした特典を期待するようになりつつあります。一部のグローバル企業では、生命保険、歯科保険、セラピー手当などの健康関連の福利厚生も別途提供しています。(寒くて暗い冬の時期には非常に役立つ)ジムやヘルスクラブの会員権のような一般的な福利厚生も、どの企業も世界中の人材を雇用できるグローバルな労働市場において、自社の競争力になる可能性があります。

優秀な人材を引き付けるには、競争力のある国際的な福利厚生を提供できるよう戦略を策定する必要があります。

中小企業でも高額な費用をかけずにグローバル従業員の満足度を高めたい場合は、当社の中小企業向け福利厚生ガイドは、リモート従業員にもアピールできる費用対効果の高い代替案を検討するうえで参考にできます。

EORがグローバル雇用の拡大に役立つ理由

スウェーデンのソフトウェアエンジニア、ニュージーランドのカスタマーサポートスペシャリスト、カナダの税理士など、どのような人材を雇用する場合でも、コンプライアンスを確保し、優秀な人材を獲得するには、各国の福利厚生の仕組みを理解する必要があります。

Employer of Record(EOR)は、雇用する国ごとに別のプロバイダーと提携する代わりに、スピーディで費用がかからず、安全なサービスを提供します。

新しく進出する国ごとに完全所有の現地法人を設立して、雇用、オンボーディング、コンプライアンスの管理に現地の人事専門家を採用するとなれば、大企業以外には不可能ともいえる難題です。

Remoteのようなグローバル雇用パートナーは、国際従業員の雇用に伴う、時間のかかる手作業をすべて自動化できます。さらに重要な点は、最適なEORパートナーには、国境を越えた雇用関係に伴う複雑なコンプライアンス要件を管理する能力があるべきだということです。

これこそが、Remoteを設立した理由です。グローバルなEORとしてRemoteと提携することで、企業は煩わしい問題に悩まされずに、国境を越えてチームの規模を拡大できます。国際雇用の複雑な手続きに対応する必要はありません。Remoteが以下のような課題に積極的に対応します。

  • 事務処理と手作業による人事業務の負担を解消する

  • 契約および入社要件を管理する

  • すべての雇用データと書類を1つのシンプルなハブに集約する

  • 解雇および退職要件に対応する

  • 関連するすべての雇用法を遵守しながら、上記のすべてを実現する

EORを利用すべき場合

EORは、企業が最初の内定を出す前から、グローバル雇用の合理化を支援できます。RemoteのEORサービスでは、現地の専任の雇用専門家がサービスを提供し、ノルウェーだけでなく、その他多くのグローバル市場で競争力のある福利厚生パッケージを作成するうえで必要な情報を提供します(詳しくは国別ガイドをご覧ください)。また、このパートナーシップにより、法令を遵守した雇用契約や人事プロセスを大規模に展開する基盤が整います。

以前、EORを利用すべき場合についてまとめたガイドを作成しましたが、EORを利用することでリスクを大幅に軽減できる重要な作業は、以下のとおりです。

  • 新たに事業を展開する国における人材向けに、法令を遵守した雇用契約を作成する

  • 自社に適した、新しい人材を引き付けるグローバルな福利厚生制度を作成する

  • 現地の雇用法に基づき、従業員と契約社員の分類に関するアドバイスを提供する

  • 現地の雇用規則に従って従業員を解雇する

  • リモート従業員が作成した知的財産と特許を保護する

RemoteのようなEORは、国際雇用の複雑な業務を管理します。Remoteを利用した国際雇用の簡素化により、ビジネスの原動力となる国際人材の雇用を開始する方法について、詳細をご覧ください。

グローバル福利厚生ガイドをダウンロードして、優秀なグローバル人材を獲得

RemoteのグローバルHR専門家が、世界の優秀な人材を引き付け、維持するために、現地の状況に合わせて法令を遵守した福利厚生制度の構築に関する実践的なアドバイスを提供します。

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