リモートワーク・非同期作業 23 min

リモートワークの機会が最も多い業界

執筆者: Preston Wickersham
2024年4月24日
Preston Wickersham

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初めに産業革命が起こり、次にデジタル・トランスフォーメーションが起こりました。そして今、私たちはリモートワークブームの真っただ中にいます。 

従業員がより柔軟な働き方を求める中で、全世界の企業は優秀な人材を引き付け、引き留めるためにビジネスモデルを再考する必要に迫られています。その結果、多くの業種、職種、国でリモートワークという未来の働き方が急速に受け入れられるようになってきました。さて、その先頭を行くのはどこなのでしょうか。

この記事では、今、リモートキャリアに就く機会が一番大きく広がっている職種と業界を探ります。さらに、これらのリモート職の給与を調査し、最も好条件の求人を紹介するだけでなく、その賃金が業界平均とどう比較されるかも検討します。

リモートワーカーの採用が多い業界トップ10

デジタル技術の普及と、パンデミック収束後のリモートワークへのシフトに伴い、リモート従業員採用のメリットを活かす企業が増えています。 

 全米経済研究所(The National Bureau of Economic Research)によると、2023年にリモートワーカーの採用が予想される 業種トップ10は次の通りです。 

ランキング

職種

リモートワーク可の求人が占める割合(概算)

1

コンピュータおよび数学関連 

35%

2

ビジネスおよびファイナンシャル・オペレーション 

27%

3

法務 

24%

4

マネジメント 

17%

5

建築、エンジニアリング 

15%

6

生命科学、物理科学、社会科学 

15%

7

アート、デザイン、エンターテインメント 

14%

8

コミュニティ、社会福祉 

13%

9

事務補助、業務補助 

10%

10

営業および営業関連業務 

9%

コンピュータおよび数学関連業界のリモートワーク機会が豊富

リモートでの技術職が最も人気です。最近の調査によると、リモートワークの求人でトップに立つのは、コンピューター系、数学関連の企業です。統計によれば、2023年の時点で、LinkedInなどの求人情報サイトに掲載中の募集広告の35%がリモート従業員の求人でした。 

つまり、テクノロジーやデータサイエンスなどの分野の求職者のほうが、自分のニーズや希望に合った在宅勤務のポジションに就ける可能性が高いということです。 

以下に、コンピューター系、数学関連の仕事がトップに立つ理由を挙げます。 

  • デジタルツールへの依存度が高いため、どこにいてもタスクがこなせる。

  • 企業は、従来型オフィス・スペースに費やすオーバーヘッドコストを削減するために、リモートワークを活用している。 

  • リモートワークの機会を提供することによって優秀な人材を引き付け、確保することができる ( テクノロジー系のリモートジョブは売り手市場)。

リモートワークは未来の働き方だとRemoteは考えています。あらゆる規模の企業がこのトレンドを受け入れ、ビジネスにもたらす多くのアドバンテージを活かせるように、私たちが精一杯サポートする理由はそこにあります。 

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全世界でリモートワークが最も活用されている職種 

一部の業種・職種は、他の業種・職種よりリモートワークの導入に適しています。 

  米国労働省労働統計局の最近の調査によると、リモートを条件とする求人が最も多いと考えられる職種は次の通りです。

 

ランキング

職種 

リモートジョブ予想求人数(2023~2031年)

1

ソフトウェア開発者 

143,400

2

経理担当者、監査人 

136,400

3

市場調査アナリスト、マーケティングスペシャリスト 

99,800

4

コンピュータおよびサポート・スペシャリスト 

58,900 

5

弁護士 

48,700

6

コンピュータおよび情報システム管理者 

48,500

7

マーケティングマネージャー

32,200

8

営業担当者 

30,400

9

広報スペシャリスト 

27,400

10

金融・投資アナリスト

26,900

ソフトウェア開発は、世界で最もリモート対応の業界

さまざまな業界を分析したところ、リモートワーカーの需要が最も大きい業種はIT業界であることがわかりました。2021年の時点で、全ソフトウェア開発職の62.8%がリモートワークでした。そして、2031年までにこの割合は急上昇するでしょう。 

ソフトウェア開発が世界で最もリモートワークに適した職種である理由はたくさんあります。例えば、次のような理由です。 

  • 非常に独立性の高い作業であり、電子的に完成させ、納品することができる 

  • もともとデジタルな業種であり、対面での交流よりテクノロジーとコンピュータに依存する

  • 人材の需要が高く、企業は競争力を高めるためにより多くの労働者の特典を提供する傾向がある

オンラインでの作業の機会が多く、ホスピタリティやコミュニケーションなどの他の業界よりもリモート勤務が可能な業界といえます。

企業がリモートワーカーに最も求めるスキル 

自発的で適応力があり、自立して働くことができるリモートワーカーを、企業はますます求めるようになってきました。しかし、リモートワーク市場で優位に立つためには、その業界で求められる特定のスキルやツールを知っておくことが重要です。

リモートワーク導入に前向きな業界トップ5がリモートワーカーに求める条件はこちらです。 

  1. コンピューター・数学関連: 企業は、Java、Python、C++などのコーディング言語に精通したリモートのソフトウェア開発者を求めています。これらの開発者は、Git、Jira、Dockerなどのソフトウェア開発ツールにも精通していたほうがよいでしょう。 

  2. ビジネスオペレーションおよびファイナンシャルオペレーション: ビジネスオペレーションとファイナンシャルオペレーションの分野のリモートワーカーには、優れた分析能力を持ち、QuickbooksやXeroなどの財務ソフトウェアに精通し、オンラインでのデータ分析やレポーティングを経験していることが求められます。 

  3. 法務: 法務分野のリモートワーカーには、優れた調査能力と文章力が求められ、LexisNexisやWestlawなどの法務ソフトウェアに精通し、法務調査や文書レビューの経験が必要です。 

  4. マネジメント: 管理職には、優れたリーダーシップスキルを持ち、AsanaやTrelloなどのプロジェクト管理ソフトウェアに精通し、チーム管理やコラボレーションを経験していることが求められます。また、自立して働くことができ、優れたコミュニケーション能力を備えていることも必要です。 

  5. 建築・エンジニアリング: 建築・エンジニアリング分野のリモートワーカーには、高度なテクニカルスキルと、AutoCADやSketchUpといったオンラインデザインの使用経験が求められます。 

すべての企業がリモートワーカーに求めるスキル: 

  • コミュニケーションスキル: チームメンバーが異なる場所や時差帯で働くリモートワーク環境では、円滑なコミュニケーションが不可欠です。企業は、意思を明確に伝え、協調的に取り組み、同僚との間に強固な関係を築くことができるリモートワーカーを求めています。

  • 時間管理: リモートワーカーは、時間をしっかりと管理し、期限を守り、タスクに優先順位をつけることができなければなりません。企業は、自発的で手際が良く、独立して仕事ができるリモートワーカーを求めています。

  • テクニカルスキル: 多くのリモートワーク職種では、ソフトウェアプログラム、デジタルマーケティングツール、Excelなどのデータプログラムの熟練など、特定のテクニカルスキルが求められます。

高収入の在宅ワークトップ10 

リモートワークが労働界を席巻していることは間違いありません。

実際に、最近の調査では、従業員の 84% が、在宅勤務のほうが幸福度が高まるだろうと回答しています。給与が下がったとしても、在宅勤務が頻繁な仕事のほうがよいと従業員たちは答えています。

ワークライフバランスが改善され、柔軟に働けることはもちろんですが、リモートワークの経済的なメリットも見逃せません。リモートワークは、従業員にとっても雇用主にとっても有益だという調査結果も出ています。オーバーヘッドコストの削減や生産性の上昇は、数あるメリットの一部でしかありません。 

 Indeedによれば、2023年に最も高収入だったリモートワーク職種トップ10は次の通りです。 

ランキング

職種 

全国平均給与(年俸)

1

精神科医

$268,419 

2

法務責任者 

$159,998

3

iOS開発者 

$135,673

4

モバイル開発者

$134,461

5

ソフトウェア設計者 

$133,806

6

データサイエンティスト

$124,683

7

DevOpsエンジニア 

$121,945

8

プロダクトデザイナー

$115,986

9

言語聴覚士

$115,379

10

ユーザーエクスペリエンス(UX)エキスパート

$109,120 

リモートワークと対人業務の給与差が最も大きい職種トップ10 

下の表は、米国でリモートワークと業界平均の給与差が最も大きい職種トップ10です。

 

ランキング

職種

業界平均給与

リモートジョブ平均給与

給与の差異

1

営業

$56,655

$127,458

+$70,803 (+125%)

2

パーソナルアシスタント

$35,946

$73,333

+$37,387 (+104%)

3

広報

$44,690

$86,000

+$41,310

(+92%)

4

事業開発

$67,341

$128,556

+$61,215 (+91%)

5

アカウントマネージャー

$54,864

$103,960

+$49,096 (+89%)

6

コンサルタント

$68,159

$126,667

+$58,508 (+86%)

7

人事

$47,732

$84,471

+$36,739 (+77%)

8

ファイナンシャルアドバイザー

$70,401

$117,844

+$47,443 (+67%)

9

サイバーセキュリティ

$67,568

$104,875

+$37,307 (+55%)

10

建築士

$83,493

$128,667

+$45,174

(+54%)

米国の営業部門では、リモートワークの収入が業界平均給与より70,803ドル以上高くなる可能性があります。営業部門には、小売店の販売員からテクニカルセールスまで、さまざまな職種があります。リモート勤務をすることで、営業職の人々は新しい地域への拡張が可能となり、その結果として給与に反映されることがあります。

パーソナルアシスタントとして働く人や広報部門で働く人の場合も、リモートワークは業界平均と大きな給与差があります。どちらの職種も完全なリモートワークの場合、提示される給与には35,000ドル以上の差が生じています。多くの企業がオフィススペースを縮小したり、なくしたりしてオーバーヘッドコストを削減した結果、労働者に高賃金を支払えるようになったことが一因と考えられます。

Remoteで最高人事責任者を務めるBarbara Matthewsは、雇用主と求職者にとってこれが何を意味するかについて次のように述べています。

「リモートワークは、企業と労働者の双方に多くのメリットを もたらします。当社の調査結果が示すように、大きなメリットの1つは、リモートワークに付随する経済的誘因です。 多くの業界で、リモートワークの賃金は業界平均を大きく上回っています。

その理由は職種によって異なりますが、優秀な人材の獲得と維持に加え、オーバーヘッドコストの大幅削減は、あらゆる企業が提示する報酬に直接的な影響を与えています。同時に、家賃やオフィススペースの削減によって企業はリモートワークの人件費を賄えるようになり、給与パッケージを引き上げています。

従業員が今後もリモートワークやハイブリッドワークを求め続け、それに応えられる企業が増えるにつれ、優秀な人材を引き付けたい雇用主は、競合他社に遅れを取らないようにするために、賃上げや組織体制の変更を検討しなければならなくなるでしょう」

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リモート従業員を継続的に採用する3つの企業

現在、環境が変化する中で、多くの企業がリモートワーカーの採用を主軸にシフトしています。リモートワーカーの採用により、柔軟性が高まり、コストが削減され、全世界の幅広い人材群にアクセスできるようになります。 

リモートワーカーを一貫して採用している企業の事例を3つ紹介しましょう。 

1.Microsoft – テクノロジー 

米国のハイテク大手 Microsoft は、ハイブリッドワークやリモートワークの柔軟性を活かしている企業の代表格です。

つまり、求人にリモートワーク可と記載されている場合、従業員はフルタイムで リモートワークに就くことを選択できますが、 オフィスで最大50%、自宅で最大50%という働き方の選択肢も保証されています。このように柔軟性を与えることによって、Microsoftは全世界から人材を採用できるようになりました。さらに、これは従業員の満足度と生産性の向上にも貢献しています。

ハイブリッドワークを可能にするために、Microsoftが導入した方針は次の通りです。 

  • 従業員が自分のスケジュールに合わせて勤務時間を選択できるようにする。 

  •  Microsoft Teams を活用し、 非同期な働き方 をサポートする。

  • 管理職にハイブリッド型のチームと従業員をリードするための教育訓練を受けさせ、ハイブリッドワークを支援する文化を形成する。 

Microsoftはテクノロジー製品で有名な企業であり、 テクノロジー系のリモートワークが多いのは当然ですが、広告や人事関係の職種も100%リモートで行うことが可能です。同社の求人サイトでは、これらの分野で在宅ワークを探すのに便利なフィルターが用意されています。 

Microsoftは 、リモートワークの採用にあたり、次の条件を満たす候補者を求めています。 

  • テクノロジー業界と最新の動向について、常に最新かつ包括的に理解している。

  • 多様なチームメンバーと円滑にコミュニケーションが取れる 

  • グロースマインドセット(人の能力は経験や努力によって伸ばせるという考え方)を持っている。

2.Mayo Clinic – ヘルスケア 

Mayo Clinic は、リモートワークのメリットを併せて活用している大手医療機関です。この医療機関は、リモートワークが従業員により大きな柔軟性とワークライフバランスを提供し、世界中どこからでも働けるようにすることを認識しています。 

その結果、コアバリューとミッションに基づいた、協力的で活気ある職場文化を維持しつつ、全世界から優秀な人材を引き付けることができるようになりました。 

Mayo Clinicがハイブリッドワークを可能にするために導入した方針は次の通りです。 

  • ノートパソコンなど、リモートワークに必要なテクノロジーとリソースを従業員に提供する。 

  • 電子メール、チャット、ビデオ会議などのコミュニケーションツールとコラボレーションツールの使用を奨励する。 

  • ハイブリッドワークとリモートワークに関する研修を実施し、オフィスを離れて効率的に働く方法を紹介する。 

Mayo Clinicは医療センターなので、応募者が対面で出勤しなければならない 職種 もいくつかありますが、次に挙げるように、対面での参加が必要ない職種においては、リモート勤務を受け入れる意向があります。 

  • マーケティングディレクター 

  • リサーチプロトコルスペシャリスト 

  • アナリストプログラマー 

Mayo Clinicは、リモートワーカーの採用にあたり、次の条件を満たす人材を求めています。 

  • 多様な経歴を持っている。 

  • 思いやりがあり、患者本位である。 

  • 情熱を持って与えられたミッションに専念する。

3. HubSpot — マーケティング 

マーケティングソフトウェアのリーディングカンパニーであるHubSpotは、リモートワークのトレンドも全面的に取り入れています。同社は、リモートワークに対し、「一番働きやすい場所で働く」という理念を掲げています。オフィスへの復帰を強要せず、在宅勤務という社員の選択を支援する理念です。 

ハイブリッドワークを可能にするためにHubSpotが導入した方針は次の通りです。 

  • リモートワークに関してカスタマイズされた情報を提供する専用リソース「 RemoteSpot 」を提供する。

  • リモートワーカーがリモートワークの経験を共有できるSlackルーム「#remote-brains-trust」など、コミュニティを育てる明確なチャネルを用意する。 

  • リモートワーク第一のライフスタイルを反映するオーダーメードの福利厚生と勤務「手当」を提供する。 

マーケティングソフトウェア企業であるHubSpotは、マーケティングの専門知識で有名です。同社には、次のようにさまざまな リモートワーク の職種があります。 

  • ブランドコピーライター 

  • カスタマーサポートスペシャリスト 

  • データアナリスト 

HubSpotは、リモートワークの採用にあたり、次の条件を満たす人材を求めています。 

  • やる気があり、自主的に仕事を進められる。 

  • マーケティングとデジタルメディアの分野で豊富な経験を持っている。

  • 文書と口頭でのコミュニケーション能力が優れている。 

今日からリモートワークのメリットを実感しましょう 

リモートワークは、世界中のさまざまな業界で企業と従業員の双方にますます人気が高まっています。  

リモートワークを導入する企業は、生産性の向上、従業員の満足度の向上、そして優れた人材のプールへのアクセスといったメリットを享受できます。

ただし、リモートワークは一律に適用できる解決策ではなく、企業はリモート従業員が成功するために必要なリソース、技術、サポートを提供するための措置を講じる必要があります。  

慎重にプランニングを行い、検討を重ねれば、リモートワークは、企業と従業員の双方に有益な働き方になりえます。 

ぜひ今すぐ Remote を導入しましょう。

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