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リモートワークによって、従業員は自宅から数百マイル離れた場所で働けるだけでなく、自宅の快適さの中で働くことも可能になります。また、企業にとっては、より広い人材プールから採用できるという利点もあります。 

しかし、ほとんどの利点と同様に、その自由には責任も伴います。

リモートワーカーの税務は通常、従来のオフィスワーカーとそれほど複雑ではありませんが、税務に関する教育リソースの多くは、従来のオフィス環境を前提とした情報を提供しています。 

在宅勤務(またはノマド)の人々は、必要な情報をいつでも入手できるわけではありません。 

この記事では、州外でリモートワークをする際の税務の影響や、これらの法律の対象となる人々、また雇用者としての責任について理解するための手助けをします。

では早速始めましょう。 

リモートワークの課税の仕組み

リモートワークをする際の税金の仕組みは複雑です。リモートワークの人気が高まる中、リモートワーカーと雇用者は自分たちがどのように影響を受けるかを理解することが重要です。

リモートワークへの課税は、次のような様々な要因によって異なります。 

  • 従業員の居住地
  • 雇用主の所在地 
  • 従業員がそれぞれの所在地で勤務する時間数 

リモートワーカーへの課税は州によって異なります。米国公認会計士協会(  AICPA  )のリードマネージャーは、次のように話しています。「50の州には50通りの異なる考え方があります。現時点で連邦政府の統一見解はありません。各州がそれぞれ異なる運用をしています」 

従来の従業員と同様に、雇用主と同じ州で働くリモートワーカーは、通常、その州の個人所得税を支払う必要があります。 

しかし、一般に単一の州の税金だけを心配すればよい従来の従業員とは違い、会社とは別の場所で働くことを選択したリモートワーカーは、  複数の州または国で税金を納付  しなければならない場合があります。 

リモートワーカーの中には、節約のためにアラスカのような  税率の低い州 への転居を決めたものの、結局、納税時に二重課税になってしまったという人もいます。 

リモートワークの種類 

在宅勤務は最もよくあるリモートワークの形態ですが、在宅勤務以外のリモートワークもあります。 

テレワーク

テレワークの場合、従業員はオフィスに出勤する代わりに自宅やその他のリモート拠点で仕事をします。この場合、雇用主は従業員が居住する州と勤務する州の両方で源泉徴収を求められる可能性があります。 

短期的な州外勤務

従業員は、出張で、あるいは数週間だけプロジェクトに従事するために、別の州に出張しなければならない場合があるかもしれません。出張の期間によっては、従業員は勤務地の州と雇用主の拠点がある州で税金を納付しなければならない可能性があります。 

「リモートワーク」は、しばしば漠然とした総称として使われますが、リモート従業員の働き方は、課税面で重要な意味を持つことがあります。 

米国の他州においてリモートで就業する場合の課税

米国の労働者は通常、州税と連邦税という2種類の税を申告します。連邦レベルでは、米国の労働者は、雇用主が事業を営む場所ではなく、本人が物理的に労働している場所に基づいて納税します。

州税は連邦税より複雑です。 

例えば、ワシントンに住んでリモートワークをしている人は、カリフォルニア州に本社を置く会社のために働いてもカリフォルニア州に州税を納める必要がありません。 

しかし、他州に出張してそこで働くリモートワーカーは、  非居住者州税申告 をしなければならない場合があります。 

リモートワーカーは、物理的に他州へ移動し、そこで働かない限り、非居住者州税申告を行う必要はありません。 

リモートワーカーが他州に居住している場合には、  互恵協定  によって、 勤務地(雇用主の所在州)での源泉徴収が免除されるケースもあります。

必ずしもすべての州が州所得税を課しているわけではありません。本稿執筆の時点で、次の州は所得税を課していません。 

  • アラスカ州
  • フロリダ州
  • ネバダ州
  • ニューハンプシャー州
  • サウスダコタ州
  • テネシー州
  • テキサス州
  • ワシントン州
  • ワイオミング州 

テキサス州の憲法は、州政府が州所得税を設けることを  無条件に禁じて  います。これらの州の場合、他州において就労しないリモートワーカーが義務付けられるのは連邦税の申告のみです。

ニューハンプシャー州とテネシー州の労働者は、投資その他の所得に州税を課される場合がありますが、両州とも賃金には州税を課しません。ニューハンプシャー州の自営業者と契約社員は、フルタイムとパートタイムの従業員とは違い、状況によって所得に州税を課される場合があります。

米国のリモートワーカーにとって、物理的な居住地が、労働者に課される税を決定づける要因であることに変わりはありません。 

居住する州の外で従業員を雇用する雇用主は、州ごとに州税の源泉徴収義務を果たさなければなりません。

「雇用者の便益」ルールとは何でしょうか。

「雇用主の便益」ルールは、州外の雇用主の下で働くリモートワーカーに適用される税法です。 

このルールによれば、従業員がある州に住み、他州に本社を置く雇用主のもとでリモートワークに従事している場合、その従業員は居住する州のみで課税されます。 

ただし、このルールの適用を受けるためには、一定の条件が満たされなければなりません。 

「雇用主の便益」テストとは、従業員が自分自身の便益ではなく、雇用主の便益のためにリモートワークに従事しているかどうかを判断するための一連の質問です。 

このテストをクリアするためには、従業員が単に自分の都合でリモートワークを選択するのではなく、雇用主が従業員にリモートワークを要求していなければなりません。 

さらに、従業員は、雇用主が拠点を置く州でいかなる業務にも就いてはなりません。 

このルールは全米で強制されるわけではありません。実際に、この規則を採用しているのは、次の州を含む数州のみです。

  • コネチカット州 
  • ニューヨーク州 
  • ネブラスカ州 
  • ペンシルベニア州 
  • デラウェア州 
  • アーカンソー州 
  • マサチューセッツ州 

米国外におけるリモートワーカーへの課税 

企業は世界中でリモートワーカーを採用する可能性があります。したがって、外国にいるリモートワーカーを採用した場合にどのような課税がなされるかを知っておくことが重要です。 

世界中のすべての国が独自の税法に基づいて課税しています。 

各国の税法を数段落でまとめようとしても、浜辺の砂粒を数えるのと同じようなもので、うまくいく見込みはありません。

 差し当っては、米国外に居住し、米国に拠点を置く企業で働くリモートワーカーの納税義務について説明していくことにしましょう。

米国外に居住する非米国市民が米国を拠点とする企業で働く場合、米国はこれらの非米国市民に課税しません。 

米国市民が他国でリモートワークに従事する場合は、いくつかの書類に記入する必要があるかもしれませんが、通常、納税義務を負うのは、本人が居住し、働いている国だけです。 

ただし、 米国籍の高額所得者  (年収10万ドル超)は、海外で就労していても米国の税を課される可能性があります。いずれにせよ、海外で就労する米国市民は、たとえ納税義務がなくても確定申告をする心づもりをしておいてください。

米国の企業が他国にいる労働者を直接雇用することはできません。

米国企業が外国に居住する人を雇用するためには、(何か月もの時間と数千ドルもの費用をかけて)自社の現地法人を設立するという、長く困難なプロセスを経るか、RemoteなどのEORを使って労働者を雇用する必要があります。

EOR を利用しない場合、ほとんどの米国企業は海外の従業員を契約社員として取り扱うことを選択します。しかし、この場合、労働者も企業も十分な注意を払わないといくつもの問題にぶつかるおそれがあります。

一般に、契約社員として働く人たちは、就労する時間帯、支払いを受ける方法、請求する料金、さらには複数の会社の仕事を請け負ってよいかなどに関して制約を受けることがあってはなりません。 

「契約社員」の定義に当てはまらない労働者は、現地の法令のもとで従業員とみなされる場合があります。

このように従業員を誤分類した場合、違反した企業は米国国内と国外の両方で重大なペナルティを科されるおそれがあります。 

企業と労働者の双方が、両者の関係の性質を明確に記した文書に署名するとともに、関係を定期的に評価して、関係に変化がないことを確認すべきです。

米国国外に居住して契約社員として就労する人は、節税を忘れてはなりません。通常、雇用主が契約社員から税金を源泉徴収したり、請負業者に代わって政府機関に納税したりすることはありません。 

契約社員に課される税率は国によって異なるため、具体的な税率や節税のコツについては、現地のガイドラインを参照すべきです。

 

他州でリモートワークに従事する場合のベストプラクティス 

米国国内と国外に居住するリモートワーカーには、納税義務をできるだけ小さくする方法がいくつかあります。 

以下に、いくつかのアドバイスを示します。

  • 自分のステータスが契約社員なのか従業員なのかを知る。  ステータスが書面で明確にされていない場合は、関係の性質を自ら判断しないでください。契約社員と従業員の区別に関する現地の法律を調べ、自分がどちらに区分されるのかを雇用主に尋ねてください。  労働者の誤分類  を発見した雇用主は、速やかに誤りを訂正しなければなりません。
  • 現地の税法をよく知る。  国や州、地域、都市によって、所得税に関する法律や要件はそれぞれ異なります。新しい土地に転居して確定申告を行う前に、現地の法律に関する情報を集めてください。多くの場合は、不案内な分野で情報を探し回るよりも、税理士に相談したほうが安上がりで簡単かもしれません。一般に、海外在住の従業員や契約社員を持つ雇用主は、法令遵守を維持するために、  PEOまたはEOR によるサードパーティ支援を必要とします。
  • EORを介しての雇用を雇用主に依頼する。  米国外で契約社員または従業員として就労する人が、必ずしも必要なサポートを受けられるとは限りません。給与、福利厚生、税金、法令遵守をRemoteのようなEORに委託することにより、企業は、質の高い経験を海外チームに提供しながら、現地の労働・税金規則を完璧に遵守することができます。

雇用主としての貴社の責任 

リモートワーカーが確実に法令を遵守し、現地税法の要求事項を満たせるようにすることは、雇用主である貴社の責任です。

貴社に他州で就労するリモートワーカーがいる場合は、その州の法律について次の点を確認することが重要です。

  • 税法 
  • 支給日に関する法律 
  • 控除 
  • 労働者の報酬 
  • 給与税 
  • 有給休暇 
  • 給与および時間外労働に関する要求事項 

さらに、各州の税法と、貴社が知っておいたほうがよいその他の規則についてもしっかり把握しておくことが得策です。

難しく聞こえるかもしれませんが、納税義務を初めから正しく分類しておけば、法令遵守も納税申告も容易になります。

リモートワーカーの納税に関する要求事項を難なく満たせる方法があります。それは、国際給与処理ガイドを利用する方法です。

契約社員の給与、ローカライズされたサービス、契約社員支払いサービスの設定方法について説明した総合ガイドをご用意しました。こちらから  ダウンロード  してください。 

このガイドラインに従えば、雇用主としての納税義務を間違いなく履行し、法的ペナルティや金銭的ペナルティを回避することができます。 

金銭がすべてでないことを忘れてはなりません。 

住んでいる場所にかかわらず、素晴らしい企業のために生き、働く自由が誰にでもあるはずです。 

Remoteの存在理由はそこにあります。当社は、給与、福利厚生、税金、そして現地の法令遵守を処理することによって、お客様が全世界の労働者を雇用できるように支援します。 

Remoteがグローバルに活躍する優秀な人材の雇用を支援している地域の一覧は、  国別ページ  で確認できます。

州外に住むリモートワーカーの採用はさほど難しくありません。

事前に多少の作業が必要ではありますが、一度要領がわかってしまえば、居住地を問わず自由に人材を引き付けることができるようになるでしょう。