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海外雇用は難しい場合もあります。多くの企業は単純な選択肢として、海外の労働者に契約社員として報酬を支払っています。残念ながら、単純な選択肢が必ずしも適切とは限りませんし、最も安全な選択肢とも限りません。
仕事上の関係によっては契約社員という区分が適切な場合もありますが、企業は、単にその方が楽だからという理由で契約社員として報酬を支払うことはできません。
契約社員と正社員では果たす役割が異なり、法律上の定義も異なります。契約社員から正社員への転換は、雇用主をペナルティから守り、従業員体験の質を高め、両者の協力関係を簡素化できます。
Remoteは、世界各国の企業が契約社員を正社員に転換するサポートをします。契約社員からフルタイムへの転換を検討している場合や、転換のメリットとデメリットの詳細を確認したい場合は、このガイドを参考にしてください。
まず、正社員と契約社員を区別することが重要な点です。正社員は企業を代表する存在であり、社内チームの一員です。契約社員は、自らのキャリアアップを目的として、企業にサービスを提供します。
労働者管理に関して言えば、管理面は正社員と契約社員を区分する際の大きな要素です。企業は、正社員の就労場所や業務の遂行方法を管理できます。しかし契約社員は、業務の遂行方法も就労場所も自らが自由に決定できることが多いです。
場合によって、契約社員を正社員に転換することは合法的に可能です。一般的には難しい作業ではないものの、多少手間がかかることもあります。しかし、誤分類やその他のペナルティを避けるには、各手順を正しく実行することが重要です。
契約社員を正社員に転換する場合、複数の契約社員がそれぞれ独自の法律や規制がある別の国で就労している場合は、複雑化する可能性があります。各手順を自社で進めることもできますが、合法的かつ効率的な移行を支援するRemoteのようなグローバルHRプラットフォームを利用して、手続きを簡素化することも検討してみましょう。
雇用主は契約社員との関係においてより大きな責任を負います。契約社員を誤分類した場合、雇用主はペナルティや罰金を科されることになります。
しかし、問題は誤分類だけではありません。契約社員は多くの国で独立した法的存在とされており、それにより自らの業務に関して特定の権利が認められています。
たとえば、雇用主が契約社員に作業を依頼すると、その作業の知的財産権の全部または一部を契約社員が所有することになる場合があります。これは1つのプロジェクトだけでも十分に憂慮すべき点ですが、契約社員との関係が長期にわたる場合に、何も対策を用意していない企業にとって、知的財産権は極めて重大な懸念事項になりかねません。
Remote IPガードで企業の海外の知的財産を保護する方法についてご覧ください。
契約社員をフルタイム社員に転換することで、その従業員の業務を細かく管理できるようになるため、多くのシナリオで契約社員よりも運営コストを抑えられます。新しい正社員は企業のプロセスやポリシーの対象となり、その業務はより詳細に追跡できるようになります。
しかし、契約社員の場合にはそれは難しくなります。契約社員は独立性が高く、通常は独自の方法で作業を進めるからです。そのため、企業は契約社員に対して福利厚生を提供する義務はありませんが、企業で勤務経験を持つ貴重な労働力を確保することで、長期的にはコストを削減できることになります。経費削減の効果は確認しにくい場合もありますが、正社員の生産性と定着率は確実に向上します。
こうした労働力最適化を導入している雇用主は、高い士気、強固な企業文化、顧客満足度の向上といったメリットも得られています。契約社員は傭兵のようなもので、次から次へとプロジェクトを渡り歩きますが、時間に対して報酬を得られる正社員は、1つのミッションに全精力を傾けることができます。
中には契約社員であることを望む労働者もいますが、多くの場合、正社員のメリットは、たとえ効果的な労働力最適化戦略が成功していたとしても、それを上回ります。
フルタイム社員は、契約社員にはない多くの福利厚生を受けられます。ほとんどの国では、社員は有給休暇、失業保護、質の高い医療の利用、税制優遇のある退職貯蓄積立などの特典を受けられます。
正社員に転換した契約社員は、チームの一員として協力することで、スキルを磨く機会も得られます。海外労働者の管理を行う企業は、本社から遠く離れた場所に在住する正社員が「二級市民」のように感じないよう、積極的に対応する必要があります。非正規労働者を正社員として迎えることで、企業はチームメンバーに対し、会社の未来に向けた重要な存在であることを示すことができます。
契約社員を正社員として雇用することは、確かにメリットがある一方で、独自の課題も伴います。以下に例を挙げます。
契約社員の正社員への転換は、労働者管理へのアプローチにおいて大きな投資になります。正社員の納税管理、新入社員研修の実施、現地の雇用法の遵守など、さまざまな作業に対応する必要があります。
例えば、契約社員が正社員になる際、人事チームは次のものを提供しなければなりません。
医療保険
社会保障
失業保険料
有給休暇(休暇や育児休暇など)
企業は通常、正社員が効率的に業務行ううえで必要なすべての機器を支給します。労働力最適化のアプローチに国際的な従業員の雇用を含める場合、同様の対応が必要になりますが、居住国に物資を送るか、国外で物資や機器を調達する必要があります。いずれにせよ、新入社員に備品を届けようとしても、物流上の問題が生じる可能性があります。
契約社員の正社員への転換は、長期的な投資になります。企業文化になじんでもらい、継続的にトレーニングを行って最新のスキルを身に付けさせ、従業員としてのパフォーマンスを監視し、エンゲージメントを確保する必要があります。
これは必ず生じる手続きです。契約社員をフルタイム社員に転換する場合、支払体系や報酬の支給方法を変更する必要があります。また、昇進や将来的な昇給についても考慮する必要があります。
状況はそれぞれ違います。契約社員との長期契約の中には、労働力の最適化に有益なものもあれば、長引く訴訟につながりかねないものもあります。
契約社員との関係を検討し、契約社員をフルタイム社員に転換する時期が来ていることを示す、一般的な指標に注意しましょう。
契約社員が居住する国の契約労働に関する法律を本当に理解していますか?法律は、国や地域によって大きく異なります。米国では契約社員として認められていても、英国では認められない場合があります。ギグエコノミー企業の成長に伴い、多くの国で契約社員に関する新たな法律が制定されています。法令を遵守していないことが判明した場合は、速やかに改め、厳しい罰則を科されないようにしてください。
契約社員は、プロジェクトに携わることはあっても、企業の未来を築くために積極的な役割を果たすことはほとんどありません。リテーナー契約を結んでいる契約社員であっても、その企業とは一定の時間や予算で関係を維持しているに過ぎません。自社の成長に貢献する優秀な契約社員を見つけたなら、その関係をそのままにしておくのはもったいないでしょう。契約社員を正社員に転換し、最小限のオンボーディングで優秀な人材を組織に迎えてください。
契約社員は通常、福利厚生を受ける権利がないため、その報酬は金銭に限られます。健康保険、退職金積立オプション、有給休暇などの特典を契約社員に提供するには、まず契約社員を正社員に転換する必要があります。充実した福利厚生ほど、企業が優秀な人材を確保する上で役立つものはありません。
契約社員がフルタイム社員のチームと共同作業をするとき、契約社員は自分が浮いた存在だと感じています。正社員は、契約社員では味わえない形で会社の文化を共有するためです。契約社員を正社員に転換すれば、社内に迎え入れ、世界中のチームメンバーにトップクラスの体験を提供できます。
本記事で前述したとおり、契約社員は自らが法人(事業体)であり、仕事の成果物に関して一定の権利を有しています。しっかり作成された契約書によって知的財産を保護することはできますが、作業者が外部の契約社員ではなく、自社の社員であれば、その権利はより強固なものになります。国によっては、企業よりも独立したクリエイターに知的財産権が帰属する場合もあるので、海外に契約社員がいる場合は、知的財産に関して厳密に定めた契約を結ぶようにしましょう。
契約社員は、社員よりも高い賃金を求めます。契約社員と取引を続けるほど、社内の人材に投入できたはずの資金が流出することになります。正社員には福利厚生やその他を提供する義務がありますが、契約社員から転換すれば、その人材はすぐにチームにとって生産性の高い長期的な戦力になってくれます。
契約社員と契約を交わしたのはいつですか?多くのフルタイムのフリーランサーは、新しい契約を結ばずに何か月も何年も同じ企業と仕事をしています。こうした契約は、雇用法の改正、特にギグワークにおける労働搾取を防止するための法改正に対応できていない可能性があります。契約社員に正社員への転換の意思があれば、正社員として雇用することで、この問題は解消できます。
ほとんどの国では、常に仕事を任せたい契約社員がいる場合に、その契約社員にNDAの締結を求めることはできても、競合他社との取引をやめてもらうことはできません。自社のビジネスを支えている人材が、突然その才能を他社でも発揮し始めたらどうなるでしょうか。競合他社にとっても優れた戦力となるような優秀な契約社員がいるのであれば、他社に先を越される前に社員雇用を申し出ましょう。
通常、契約社員はプロジェクト単位でのみ仕事をします。頻繁に契約社員と契約しているのであれば、正社員として雇用し、給与を支給することで人件費を削減できる可能性があります。
各国には、正社員の定義について、独自の規則や規定があります。
勤務状況を誤分類すると、企業は法的な責任を問われたり、多額の罰金を科されたりするおそれがあります。また、福利厚生を受けられなかった場合、追加で支払わなければならない場合もあります。
転ばぬ先の杖と言いますが、大きなミスをしないか心配であれば、契約社員の正社員への転換を検討するか、専門家に相談して誤分類を避けるためのサポートを依頼しましょう。
契約社員を正社員に転換する最も単純な理由は、最善の理由の1つでもあります。契約社員自身はどうしたいのかということです。
高待遇の好条件を提示されても、フリーランスとして働く方がいいという契約社員もいます。また、完全雇用に伴う保障や保護を優先して、不安定な契約労働から脱却したいと考える人もいるでしょう。
優秀な契約社員には、フルタイム社員として働きたいかどうかを尋ね、相手が望むなら、ぜひ正社員として雇用しましょう。
では、契約社員をフルタイム雇用に変更する時期が来たと判断したとします。企業にとっては、実際の手続きの内容が気になるところです。
一般的に、必要な作業は以下のとおりです。
契約社員を合法的に正社員に転換できるかどうかを確認することが重要です。内国歳入庁(IRS)は、その判断基準として以下のような点を挙げています。
行動管理: 企業が労働者の行う仕事を指揮管理する権利を有する場合、その労働者は正社員とみなされます。
財務管理: 企業が労働者の職務の財務面および事業面を指揮管理する権利を有する場合、その労働者は正社員とみなされます。これは、労働者の経費精算、業務に必要な備品への投資、あるいは安定した給与の支給などが該当します。
関係: 雇用主と労働者の関係の一部の面は、労働者が受ける福利厚生の種類、関係の永続性、労働者の仕事が企業に与える影響の程度など、労働者の分類を判断するうえで役立ちます。
また、米国労働省による2024年1月の最終判決も参考にするといいでしょう。この判決では、従業員の分類を判断するうえで確認すべき6つの点を示し、それらすべてを考慮する必要があると強調しています。
契約社員を正社員に転換するということは、その国の税制や雇用法を理解する必要があるということですが、大抵は不案内です。また、正社員を雇用するには現地法人も必要です。
現地法人がまだ設立されていない場合は、EORを利用することもできます。EORは企業に代わって個人を雇用し、雇用と労働力管理に関するすべての法的手続きを代行します。それでも、企業が雇用主であることに変わりはありません。従業員のスケジュールから仕事量まで、すべてを企業が管理していることになります。
契約社員の国の福利厚生に関する法律に基づいて、契約社員に雇用を提案しましょう。契約者の所在地に即した契約書を作成するには、有給休暇、健康保険、産前産後休暇、その他の福利厚生に関する現地の規制を調査します。
たとえばコスタリカでは、すべての公務員と民間企業の従業員には、1か月分の給与を上乗せした13か月目の賞与を支給しなければならないと労働法で定められています。
契約社員が社員契約に署名したら、すぐに給与処理に加えましょう。
さまざまな国で人材を雇用する場合、法令の遵守は内定通知書を送付した時点で終わるわけではありません。社員の在職期間を通じて、給与、福利厚生、税金、その他の雇用規制など、絶えず変化する現地法を常に把握しておくことが重要です。
Remoteは、労働者の所在国を問わずコンプライアンス確保することで、この負担を軽減します。Remoteを利用すれば、数クリックで新入社員をオンボーディングでき、現地の人事、法務、財務の専門家から24時間365日のサポートを受けられます。
契約社員から正社員への転換は双方にメリットがある一方で、この動きには課題も伴います。海外契約社員への支払いは、特に経験の浅い企業にとっては、海外の正社員を雇用するよりも簡単です。
ですが、Remoteを利用すれば、世界中の国で契約社員を簡単に正社員に転換できます。当社のグローバル雇用サービスとグローバル契約社員プラットフォームによって、企業に最適な方法を決定できます。契約社員への支払いや管理は、数分で実行できます。また、契約社員を正社員に転換する場合も、Remoteを利用すれば簡単かつ速やかに手続きができます。給与処理、福利厚生、税金、海外での法令遵守など、Remoteなら簡単にできます。
契約社員の転換については、契約社員管理ガイドをご覧ください。
はい。契約社員から正社員への転換は一般的に行われています。場合によっては、現地の規制を常に遵守するうえで必要な措置ですが、企業や労働者にとってはメリットもあります。社員は福利厚生を受けることができ、通常は労働環境が改善します。また、雇用主は長期的に経費を削減できます。
はい。時には正社員が契約社員になることを選択する場合もあります。一般的に、契約社員はスケジュールの自由度が高く、仕事量や契約先を自ら決定して、自己管理できます。正社員を契約社員に転換することは可能ですが、その正社員に転換する法的資格があるかどうかを確認する必要があります。
契約社員を自社の一員にしたくないのであれば、正社員に転換すべきではありません。一般的に、転換には、人事チームが多大な労力をかけて、新入社員を教育し、企業文化になじんでもらうための長期的な取り組みが必要となります。
法律上、契約社員が正社員になることができない場合もあります。たとえば、契約社員に今後もプロジェクトベースで報酬を支払いたいのであれば、正社員には移行しない方がいいでしょう。
契約社員から正社員への転換は、当人がすべての資格を満たしている場合に限ることが極めて重要です。誤分類は多額の罰金や罰則につながる可能性があります。契約社員が他国で就労している場合は、その国の雇用法に従って正社員として雇用することも重要です。
米国では、誤分類すると、法的な罰金(特に訴訟が起きた場合)が科せられます。また、雇用主は誤分類した労働者の税金を払い戻さなければならない場合や、雇用主が提供すべき福利厚生を支払わなければならない場合もあります。
連邦政府の規制に加えて、各州は誤分類に関して独自の処分を下すことがあります。たとえば、ワシントンD.C.では、労働者の誤分類は給与詐欺の一種と見なされています。
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