給与管理に対応する際には多くの課題があります。
まず、給与の支払いは期日に遅れることなく正確に行い、給与データの安全性を確保する必要があります。さらに、税法、福利厚生要件、人事管理関係のプロセスは一律ではないため、さまざまなパターンに対応していく必要があります。世界中に人材がいる場合は、さまざまな国での規制やベストプラクティスへの対応が必要です。
そのため、給与管理について十分に理解しておくことが極めて重要となります。
この記事では、給与管理に関する主な課題をいくつか紹介し、世界中に人材がいる場合でも、全プロセスを法令を遵守しながらスムーズかつ効率的に行う方法について解説します。
それでは早速始めましょう。
給与管理とは
給与管理とは、従業員への給与支払い、源泉徴収の処理、記録の維持、各国における労働法のコンプライアンス遵守を含む一連のプロセスを指します。
さまざまな業務が含まれる中、主要な業務は、従業員への給与の支払いを正確かつ期日通りに行うことですが、給与管理には、税金の源泉徴収や正確な記録をつける作業なども含まれます。
さまざまな国で人材を雇う場合、給与の支払いは プロセスの一部にすぎません 。税金の管理や各国の独自の労働法への準拠も必要になり、これらすべての作業がグローバル給与管理に含まれるのです。
グローバル給与の管理は、従業員の各居住地の規制を理解しそれに従う必要があるため、多くの場合、1つの国だけで従業員への給与の対応を行うよりも複雑になります。海外での雇用を予定または検討している場合は、その複雑な手続きを世界規模で効率的に対応できるように準備しておく必要があります。
具体的に必要な対応は以下の通りです。
- 給与の計算
- 期日内の確実な支払い
- 支払いの追跡と報告
- 給与明細書の配布
- 正確な 源泉徴収と納税
- 現地の労働法の遵守
これらの業務や責務が適切に管理できない場合、従業員への支払いサイクルに支障が出るだけでなく、法令不遵守に対する高額な罰金やペナルティが科される可能性があり、離職率の上昇、風評被害、金銭的な打撃につながりかねません。
優れた給与管理が重要な理由
適切な給与管理は、従業員への給与支給を正確かつ期日通りに行うとともに、コンプライアンスの遵守、リスクの軽減、従業員の満足度と定着率の向上に貢献します。
従業員は給与をもらうために働いています。給与を正確かつ期日通りに支給しない場合、人事的な苦情を受け、質の高い従業員を失ったり、雇用契約を違反した場合には法的問題になるリスクがあります。
では、効果的かつ効率的な給与管理が極めて重要な理由について詳しく見ていきましょう。
法令遵守とリスク管理
給与処理のコンプライアンスにより、組織は各国の給与関連法規を遵守し、罰金、法的問題、各国における事務手続き上の負担といったリスクを軽減できます。
従業員への直接振り込みを正確に行わないと、組織にとって大きな損失となるおそれがあります。人事や財務部門の時間が奪われるほか、ペナルティや訴訟に発展する可能性があります。
一般的に、企業には給与に関する過失に対処する義務があります。対処しない場合は政府から罰金が科せられる可能性があります。
従業員の満足度と定着率
正確かつタイムリーな給与支給は、従業員の満足度、意欲、定着にとって不可欠です。従業員に給与が正しく支払われなかったり、期日通りでなかったりすると、信頼関係は急速に崩壊し、従業員の意欲喪失や業績の悪化につながります。
給与に関する問題が継続的に発生している場合、質の高い従業員を失う可能性もあります。優秀な人材を失ったり、従業員のエンゲージメントが低下するという痛手を負うだけでなく、金銭的にも大きな代償を払うことになるかもしれません。新たに従業員を雇用するには平均的に約4,700ドルのコストがかかるからです。
さらに、給与への対応を誤ると、企業の評判が悪くなり、将来的に質の高い従業員を雇うことも難しくなる場合もあります。
コストの管理と効率性
給与管理の効率化は、運用コストの削減、エラーの最小化、複数のシステムや国にわたる人事・財務プロセスの効率化を図ります。給与計算ソフトウェアの使い勝手悪い場合、すべての作業を期日通りに終えるために人事および財務チームにより多くの従業員が必要となるかもしれません。さらに、非効率なシステムからデータを抽出するのは簡単ではありません。
グローバル給与の管理は、各国の法律、規制、通貨、言語を考慮する必要があるため、より困難になる可能性があります。
グローバル給与管理の主な課題
グローバル給与処理には、コンプライアンス遵守の管理、複数のシステムの処理、税法への対応、異なる国における正確な納付の確保といった課題が含まれます。
給与を効果的に管理するには、まず主な課題が何かを理解する必要があります。以下は注力する必要がある主な課題の一部です。
国際税法と労働法
グローバル給与処理には、コンプライアンス遵守を確保し、罰則や法的リスクを回避するために、各国固有の税法や労働法を理解する必要があります。
規制の複雑さ次第では、現地の税の専門家やコンサルタントを探して雇う必要が出てくることもあり、その場合は高いコストと時間のかかるプロセスになりかねません。
また、国によって雇用に関する法令遵守要件は異なるため、現地で法的な助言を求める必要があるかもしれません。
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法律の変更
給与に関連する法規は頻繁に変更されるため、企業は事業を展開するすべての国でコンプライアンス遵守を維持するために、システムやプロセスを継続的に更新しなければなりません。
変更について把握するだけでなく、給与計算システム内でもその情報を更新していく必要があるほか、データの整合性や精度も維持しなければなりません。これには多くの時間がかかり、複数のチームによる対応が必要となります。
社内の人事、財務、法務のコスト
グローバル給与処理の管理には、複数国の給与処理業務を処理するために必要なスタッフィング、法務サポート、システム要件などにより、社内コストが増えます。
給与処理を効果的に管理するには、従業員の採用と研修、海外での給与支給システムのセットアップ、給与処理のインフラ維持などのコストを考慮する必要があります。
月々の給与処理プロセスには通常、以下が含まれます。
- 社内の給与スペシャリストの労働コスト
- 外国為替や送金手数料(該当する場合)
- 事業用の銀行手数料
- 複数の国での法務のコスト(該当する場合)
- データのセキュリティと保護のコスト
制約のあるレガシーシステム
従来の給与処理システムは非効率的で、手作業が多く、グローバル給与処理に関するコンプライアンスやデータ精度のリスクがあります。
たとえば、レガシーシステムは法規の変更によりすぐに古くなってしまうために、頻繁にアップグレードや交換が必要になることがあります。そのようなシステムの多くでは、さまざまな通貨の銀行明細書の調整などのタスクを手作業で行う必要もあります。これは高いコストのかかるミスにつながりかねません。
レガシーの給与計算システムでは、データのプライバシーやセキュリティの問題が発生することもあり、財務および信用に影響する可能性があります。
他の人事システムとの不整合
人事システムが統合されていない場合は、グローバル給与管理において、データの不整合、報告の問題、コンプライアンス上のリスクなどをもたらす可能性があります。
レガシーシステム同様に、他の人事システムとのデータ交換を管理する方法も考える必要があります。プラットフォーム間における食い違いやデータの不足が発生すると、状況がわかりづらくなり、潜在的な法令遵守の問題が発生したり、業務に悪影響が及んだりします。
申告や分析のプロセスにも影響し、企業内の意思決定プロセスの弱点につながる可能性もあります。
支払いの間違い
グローバル給与処理がさらに複雑になると、手作業での処理、税金の計算エラー、為替変動などが原因で、支給ミスのリスクが高まります。
この間違いが発生すると企業にとってあらゆる問題が発生します。潜在的な法的および法令遵守の問題のほか、給与支給の間違いや遅れを歓迎しない従業員の間に大きな不満が発生します。支払いの間違いが複数回発生すると、退職を決断する従業員も出てくる可能性があります。
支払いの間違いにより次のような影響も発生する場合があります。
- 一部の国ではペナルティ、罰金、利息の請求につながる
- 将来の採用候補者、顧客、その他のステークホルダーとの関係において、企業の評判を損なうリスクがある
- ミスを修正しようと試みる際にかかった労働時間など、追加コストが発生する
- 事業拡大の可能性を大幅に制限する
データセキュリティ
グローバル給与処理には、従業員の機密情報を保護し、各国におけるデータプライバシー法を遵守するために、強力なデータセキュリティ対策が必要です。
また、グローバル給与管理システムを使用する際には、EUの一般データ保護規則(GDPR)や、米国の州レベルのさまざまな規制など、それぞれのデータプライバシー法の要件を完全に遵守する必要があります。
グローバル給与管理に関する3つのベストプラクティス
グローバル給与処理のベストプラクティスには、セキュリティの強化、プロセスの自動化、国境を越えた給与格差の理解などが含まれます。
これらの課題を念頭に置くと、給与を効率的かつ効果的に管理するために適用できるベストプラクティスがいくつかあります。従うべき主なステップは以下の通りです。
1. 強固なセキュリティシステムを確保する
給与処理の強力なセキュリティシステムは、暗号化、アクセス制御、サイバーセキュリティのベストプラクティスに関する従業員への研修などを通じて、機密データを保護します。
- 機密データをオンラインで扱う場合には、強力なパスワード、暗号化、二要素認証などの策を使用する
- 確立されたセキュリティ基準を導入する
- 個人情報を扱うチームには必ずサイバーセキュリティプロトコルに関するトレーニングを定期的に行う
- 会社のIT機器に関するアクセス制御および適正使用に関する包括的なポリシーを策定する
これらのステップを踏むことで、潜在的な脅威から自社を守る一方で、従業員にも自らのプライバシーに関して安心感を与えることができます。
2. 可能な限り自動化する
グローバル給与処理の自動化によって、反復的な事務作業を効率化することで、手作業によるエラーの軽減、時間の節約、効率の向上を図ることができます。
- 既存の人事プロセスが整っていることを確認する。自動化は手順がきちんと定義され、標準化されているときに最も効果を発揮します。
- 費用対効果、拡張可能性、ベンダーが提供するセキュリティ対策を分析して、どの給与計算ソフトウェアが自社に適しているかを評価する。可能であれば、全社規模で展開する前に、少数の従業員に対してソリューションをテストする。
- 給与処理で使用されている新しいシステムやツールを従業員が理解し、何が必要かを理解できるようにする。
3. 国際的な給与におけるあらゆる違いを理解する
グローバル給与処理の管理では、各国の物価、税率、通貨の格差に基づいて給与額を調整する必要があります。
たとえば、海外の従業員に報酬パッケージを割り当てる場合には、為替レートの変動を考慮に入れる必要があるかもしれません。つまり、通貨によって、現地の従業員の給与と比較して大きな差が生まれる可能性があります。
また、国によって所得税率も異なるので、所得税を差し引いた手取り給与に影響する可能性もあります。税率が高く設定されている地域では差し引かれる所得税を報酬パッケージにより調整することを検討しましょう。
このようなあらゆる違いを理解することで、国境を越えて給与の公平性と競争力を確保しながら、税や法的な義務を果たすことができます。
グローバル給与管理システムのメリットを享受する方法
グローバル給与管理システムは、一元化されたプラットフォームで複数の国におけるコンプライアンスの向上、プロセスの自動化、給与処理の簡素化を図ります。
さまざまな課題すべてに対応し、ベストプラクティスをすべて導入するのは、特に予算やリソースが限られている場合には大変なプロセスかもしれません。そのため、グローバル給与管理を実績があり信頼できるプロバイダーに外部委託することが強く勧められています。
以下は、グローバル給与管理システムが役立つ可能性のある用途の一部です。
データセキュリティの確保
グローバル給与処理システムは、機密情報を一元化し、手作業でのデータ処理に伴うリスクを軽減することで、データセキュリティを強化します。
給与計算ソフトウェアには従業員の機密情報(ソーシャルセキュリティナンバー、給与額、給与税、銀行口座情報など)を扱うため、安全なシステムを使うことが不可欠です。
一般的に、グローバル給与管理システムは、ExcelやGoogleスプレッドシートなど、従業員の給与計算に使用される可能性のある他のツールよりも、データの安全性を確保するように設計されています。
また、Excelファイルを別のソフトウェアにインポートするのではなく、一つのシステム内で情報を簡単に移動させることができます。世界中で人を雇う場合、このようなデータセキュリティは特に重要となります。
給与処理プロセスの自動化
給与処理システムは、支払いや報告などの業務を自動化することで、人事チームの業務負担を軽減し、精度の向上に役立ちます。
給与関連のタスクをすべて一つのシステム内で完結できる場合、人事や財務チームは複数のシステムを学習したり同期したりする手間が省けるため、業務負担が軽減されます。また、情報が迅速かつ正確に入力できるので、新しい従業員のオンボーディングやトレーニングもより簡単になります。
効果的な給与管理システムを利用することで、従来手作業で行っていたタスクがソフトウェアによって自動化されます。例えば、支払いスケジュールを設定すれば、従業員への支払いが自動で実行されます。
Remote を使用すれば、あらゆる給与の入力を効率的に記録、追跡、承認できるようになり、データの重複もなくなります。さらに、給与コストの大まかな概要を簡単に確認できるので、キャッシュフローのニーズの予測に役立ちます。
国際的な給与を容易に管理
グローバル給与処理システムは、プロセスを標準化し、コンプライアンスを遵守した複数の通貨での正確な支払いを保証することで、国境を越えた給与処理を簡素化します。
質の高いグローバル給与管理システムでは、すべてのデータが標準化された方法で確認できるため、従業員が各国で法的に適正であることを確認する作業が大幅に簡単になります。そのため、従業員は給与を正確かつ期日通りに適切な通貨で受け取ることができます。さらに、給与計算システムは、法令遵守を維持する上でも役立つため、安心感を得られます。
一般的に、給与計算プロバイダーは、完全所有型と集約型の2つのカテゴリーに分類されます。
完全所有モデル
完全所有型の給与処理モデルでは、単一のプロバイダーが複数の国の給与処理を管理することで、一貫性、制御、一元化されたオペレーションを図ります。
このモデルでは窓口が一本化され、すべての国に一貫したサービスが提供されます。通常、一元化されたプラットフォームが使用されるので、支払いやさまざまな市場での法令遵守要件を管理しやすくなります。また、従業員の情報や給与レートの更新など、他の関連するプロセスを効率化することも可能になります。
完全所有モデルのプロバイダーは、あらゆる技術やセキュリティ関係の複雑な作業にすべて対応できる、よく整備されたテクノロジーインフラを所有しています。
集約モデル
集約型の給与処理モデルでは、各国の現地パートナーに依存することで、地域に特化した専門知識を提供できる一方、コストと複雑さは増える傾向にあります。
この方法により、パートナーの専門知識やリソースを活用する一方で、一本化された窓口を提供できます。通常、これらのプロバイダーは、各国の規制や法令遵守要件に精通したパートナーの幅広いネットワークを持っています。
しかし、サービスが外部委託されるため、多くの場合コストが高くなります。また、多くの作業が見知らぬサードパーティ業者によって行われる場合があります。
最適なモデルとは
完全所有型のモデルは、第三者に依存せずに現地の専門知識を保てるため、コスト効果や一貫性は多くの場合、より優れています。
Remoteによるグローバル給与の管理
Remoteは、コンプライアンス、自動化、各国の現地担当者によるサポートを備えた一元的なプラットフォームを通じて、グローバル給与処理の管理について企業を支援しています。
Remoteはグローバル給与の管理を行う上で理想的なパートナーです。これまでご紹介したあらゆる課題に対するソリューションを提供できます。具体的には以下の通りです。
- 雇用先の各国で現地に精通した社内税務専門家に直接アクセス可能
- 法令の変化に合わせて給与処理プロセスを常に更新
- 世界中のどこでも 一元化された単一の給与計算システム を使用(複数の通貨での支払いに対応)
- 複数の人事プラットフォーム (およびAPIアクセス)とのシームレスな統合
- 堅牢で安全なインフラ
- 管理業務の自動化により多くの時間の節約
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