オーストラリアにおける解雇手続き
解雇手続き
オーストラリアの雇用主は、書面による通知なしに従業員を解雇することはできません。雇用主は通知期間の間に従業員に勤務させるか、通知期間に相当する支払いを行うことを選択できます。通知期間や退職金の金額は雇用契約で交渉される場合があります。
オーストラリアにおける解雇予告の要件は、企業の従業員数、従業員の分類、及び当該従業員の在職期間に応じて異なります。
解雇予告期間
オーストラリアで従業員を解雇する際の解雇予告期間は、その従業員の当社での在職期間に応じて決まります。
- 在職期間が1年以下の従業員は、1週間の解雇予告を受ける権利があります。
- 在職期間が1年超~3年以下の従業員は、2週間の解雇予告を受ける権利があります。
- 在職期間が3年超~5年以下の従業員は、3週間の解雇予告を受ける権利があります。
- 在職期間が5年超の従業員は、4週間の解雇予告を受ける権利があります。
- 45歳を超え、かつ少なくとも2年間在職している従業員には、さらに1週間の解雇予告が必要です。
退職金
オーストラリアの退職金は、従業員の在職年数によって異なります。雇用主の下で1年未満しか勤務していない従業員は、退職金を受け取る権利がありません。
- 在職期間が1年以上かつ2年未満の従業員は、最低でも4週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が2年以上かつ3年未満の従業員は、最低でも6週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が3年以上かつ4年未満の従業員は、最低でも7週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が4年以上かつ5年未満の従業員は、最低でも8週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が5年以上かつ6年未満の従業員は、最低でも10週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が6年以上かつ7年未満の従業員は、最低でも11週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が7年以上かつ8年未満の従業員は、最低でも13週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が8年以上かつ9年未満の従業員は、最低でも14週間分の退職金を受け取ります。
- 在職期間が9年以上かつ10年未満の従業員は、最低でも16週間分の退職金を受け取ります。
オーストラリア全国産業関係委員会の2004年の冗長性判決により、継続して10年以上在職している従業員の退職金は12週間に減額されます。
試用期間
試用期間の長さは雇用主が決定します。雇用開始時には数週間から数ヶ月まで幅があり、オーストラリアの試用期間は通常3〜6か月です。
オーストラリアのFair Work Act(フェアワーク法)は、不当解雇の申し立てが可能になるまでの最低雇用期間を定めています。従業員数が15人以上の企業ではこの最低期間は6か月、従業員が15人未満の小規模事業では12か月です。