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理想的な世界では、他国でのコンプライアンスや給与支給の心配をすることなく、海外リモートワーカーを雇用できます。
現実では、国際法が複雑であることから、企業の海外人材雇用が困難になってます。
グローバル雇用を行うには、企業はEORやPEOなどの雇用パートナーと提携する必要があります。
この記事では、PEOの定義や、EORとの相違点、PEOが企業にもたらすプラスの影響について、ご紹介します。
さあ始めましょう。
EORとPEOの主な相違点と共通点は以下のとおりです。
EORは他国で人材を雇用でき、企業はその国で現地法人を設立する必要はありません。書類上、労働者の法的雇用主としての役割を担います。EORのサービスの詳細については、こちらからご覧ください。
一方、PEOと提携するには、その国や地域に法人を設立する必要があります。
EORもPEOも、給与、福利厚生、税金の控除や申告といった人事業務を管理しています。
PEOの場合、企業、従業員、PEOの3者で共同雇用契約を結びます。そのため、PEOを利用することで、企業は現地の労働法を遵守する責任を負うことになります。
すでにその国で現地法人を所有しているのであれば、PEOを利用する方が費用効果が高くなる場合があります。
しかし、まだ現地法人を所有していない場合は、EORを利用する方が、新規に法人を設立するよりもはるかに費用効果が高く、時間もかかりません。
グローバルな事業展開を目指す企業にとって注目すべき相違点は、PEOは企業に現地法人の所有を求め、共同雇用契約を結ぶ必要があるという点に対し、EORは企業が現地法人を所有しておらず、共同雇用を行わなくとも、他国で雇用できるという点です。
人事(HR)分野において、PEOは 「professional employer organization 」の略称です。
PEOは、企業に人事サービスを提供する外部企業です。2022年、米国には487社のPEOが存在していました。
基本的に、PEOはこれらの企業の共同雇用者としての役割を担い、以下のような一定の雇用者責任を負います。
給与と税
福利厚生と人事管理
雇用法の遵守
PEOと提携することで、企業は他の業務に集中することができると同時に、管理業務にかかる負担は、経験豊富な専門家が対処することになります。
PEOと提携する場合のコストは、企業の従業員数や必要とされる特定の人事サービスなどの要素によって異なります。
通常、PEOは以下のいずれかで料金を設定しています。
一部のPEOは、企業の給与総額の何%かを徴収する場合があります。
また、従業員1人につき一律の月額料金を請求する場合もあります。
PEOを利用すると、費用がかさみがちです。また、企業のニーズによっては、人事ニーズに最適ではない場合もあります。だからこそ、決定する前にPEOのサービス内容や、他の選択肢について知ることが重要です。
企業がPEOとの提携を選択するのは、人事業務を合理化し、管理業務の時間を節約し、従業員に質の高い福利厚生を提供したい場合です。
PEOを利用する企業は、成長が7~9%早く、離職率が10~14%低く、廃業の可能性が50%低くなっています。
PEOと提携することで、次のようなサービスが利用できます。
コスト削減: PEOは、従業員の離職率を下げ、社内の人事チームを雇用する経費を削減し、高額な費用がかかりがちな法的ミスを回避することで、企業のコスト削減に貢献します。
人事サービス: PEOは、給与処理、福利厚生管理、コンプライアンスサポートなど、さまざまな人事サービスを提供できます。
リスク管理: PEOは、労災補償や従業員の安全など、職場のリスク管理を企業に指導できます。
従業員の福利厚生: PEOは、良質な保険や福利厚生制度を提供できるため、企業が優秀な人材を引き付け、確保する上で役立ちます。
PEOとの提携は、労働力の規模拡大を目指す企業にとって賢明な判断となり得ます。 ただし、PEOの場合、企業がすでに法人を設立していない地域では雇用できないため、制限があります。
中小企業はPEOサービスとの提携を選択する場合があります。
多くの場合、こうした企業のリソースは限られており、専門の人事部門を設置する余裕はありません。PEOと提携することで、スタッフを増員しなくとも、さまざまな人事サービスを利用できます。
ただし、提携するPEOが、企業の将来のビジョンや目標を理解し、その達成のために協力できることが不可欠です。
だからこそ、最初から自社に適したPEOサービスを選択することが非常に重要なのです。
PEOサービスを選択する前に、以下の点を考慮しましょう。
職場のニーズ
PEOのコストと信用度
PEOのカスタマーサービス基準
PEOが関連技術を保有しているかどうか
PEOとEORを同じ意味で使用する場合もありますが、PEOとEORには重要な相違点があります。
EORの主な特徴は以下のとおりです。
法的雇用主:EORは、クライアントに代わって雇用する労働者の法的雇用主としての役割を担います。
給与管理:EORは、支払いの計算や処理、源泉徴収、その他の控除を含む給与管理を行います。
コンプライアンス:EORは、税法、雇用契約、福利厚生を含む、現地のすべての労働法規の遵守を徹底します。
EORとPEOの主な違いは、PEOはすでに現地法人を所有している企業の人事業務を主に扱うのに対し、EORは顧客企業に代わって労働者を雇用し、顧客企業は現地法人を開設する必要がないという点です。
結局から言うと、人材を雇用しようとしている国に現地法人を所有していない場合は、PEOではなくEORが必要です。
グローバル雇用パートナーと提携して、そのパートナーから人材雇用の前に現地法人の設立を求められた場合は、そのパートナーは実際にはEORサービスを提供しておらず、PEOサービスのみを提供しているということです。
こうした企業は「グローバルPEO」または「グローバルPEOサービス」プロバイダーと呼ばれることもあります。
すでに法人を設立する計画がある場合は、グローバルPEOが最適と言えますが、そうでない場合は、EORを利用した方が早く、費用対効果も高くなります。特に、その国で雇用する従業員が数人のみという場合に有効性は高まります。
EORを利用することで、他のすべての従業員と同じように、海外従業員と仕事をすることができます。このように、EORを利用すれば、現地法人を所有していない国でもフルタイムの人材を雇用できます。
PEOも、企業が他国で従業員を雇用する際にサポートできる可能性はありますが、それは企業が現地法人を所有している場合に限られます。一般的に、PEOは給与や福利厚生の管理など、EORと同じ人事サービスのほとんどを提供しますが、企業が所有する現地法人との共同雇用が条件です。さらに、PEOのみのプロバイダーは、EORプロバイダーであれば提供できる法律に関する専門知識を提供できない場合があります。
EORは、給与処理や福利厚生管理など、ビジネスに必要な人事サービスをすべて提供することもできますが、EORは常に、書類上は人材の現地雇用主として扱われることに注意してください。
新しい国にチームを拡大する際、企業のコンプライアンスニーズに加え、こうした重要な手続きに対応してくれるオールインワン型のEORパートナーと提携することで、拡大をスムーズに進めることができます。
通常、現地法人を設置していない国でフルタイム従業員を雇用しようとする場合や、現地法人を設立する計画がある場合に、PEOよりもEORを選択すべきです。
EORは、他国での人材の合法的な雇用を取り扱うので、書類上はEORが雇用主となります。
しかし実際には、EORは単にコンプライアンスのために事務手続きを進めるだけです。
EORを使用するメリットとして、以下が挙げられます。
コスト効率を高める
グローバルに採用を検討している企業に柔軟性を提供
各国の労働法や規制の順守を確保
例えば、ドイツやフランスのような他国で優秀な人材を雇用したいが、その地域に他の従業員がいない場合を考えてみましょう。
その地域に契約社員がいるかもしれませんが、従業員が受ける体験の質や、現地の法律に対するコンプライアンスが心配になるかもしれません。
では、どちらに目を向ければいいでしょうか。
Remoteは、企業が海外人材を雇用する際に直面するさまざまな課題を十分に理解しています。当社では、6大陸の数十か国に数百人のスタッフが常駐しています。
グローバル人材との提携にどのような支援が必要かわからない場合は、質問形式で基本的な情報を確認することから始めてみましょう。
現地法人を所有していない国でフルタイムの人材を雇用するには、EORを利用する必要があります。これは、自社の現地法人を設立したくない場合の唯一の選択肢です。
しかし、その際には注意すべき点があります。中には、直接雇用ではなく、第三者機関を通じて他国で人材を雇用するEORもあります。こうしたEORは独自の現地法人を所有しておらず、自社プロバイダーから請求される費用に追加料金を上乗せしています。
これでは従業員が困惑し、不快な思いをするだけでなく、企業にとってもすぐに費用がかさむことになります。コストをほとんど管理できないため、こうしたパートナーシップ主体のEORは、請求金額やサービスに一貫性がありません。
Remoteは、サービスを提供するすべての国で独自の法人を所有しています。これにより、チームには最高の体験が、企業には最適な一律価格が保証されます。
状況によっては、人材に、契約社員として報酬を支払うこともできます。この場合、PEOを利用することもできますが、従業員を契約社員に誤分類しないよう、関係の性質を慎重に検討する必要があります。
現地法人がなければ、いつでも法人を開設できます。ただし、そのプロセスについては、まず考慮すべき複数の要素があります。以下に例を挙げます。
合法的に設立するだけでも多額の費用がかかる場合がある。
時間がかかる場合もあり、現地法人を構えるとなれば、現地で業務を管理する人員が必要になる。
特定の国で大きな事業拡大を見込んでいる場合でなければ、長期的には資源の浪費になりかねない。
対象国に現地法人を持つ企業であっても、従業員のニーズをすべて満たすだけのリソースがあるとは限りません。
そこで必要になるのがPEOです。
PEOは、従業員が給与を受け取り、健康保険や有給休暇などの福利厚生を利用できるように、さまざまな人事業務を行います。また、EORと同じサービスのほとんどを、企業との共同雇用契約の中で提供できます。
ほとんどのPEOと多くのEORは、従業員の最低人数を設けています。
現地法人を立ち上げるとすぐに費用がかさむため、こうしたサービスを提供する企業は、見込み客企業に対し、パートナーシップを結ぶには、従業員に最低数が必要だと説明することがあります。
新興企業や中小企業では、こうした障壁があることで海外人材の雇用に不当に高額な費用がかかり、現地人材の雇用のみに留まらざるを得なくなります。
新しい国に現地法人を開設しようとする企業は、その国で多くの従業員を雇用することを視野に入れています。こうした状況では、現地のPEOが共同雇用契約を通じて人事機能の管理を支援できます。
厳密に言えば、海外契約社員との取引には、EORもPEOも必要ありません。
必要なのは、コンプライアンスに準拠した契約社員管理と支払いのソリューションのみです。
そこで、Remoteを利用すれば、世界中の国で簡単に契約社員への支払いや管理ができます。業界トップクラスの海外契約社員管理ソリューションとして、当社は世界中のあらゆる規模の企業による契約社員への対価の支払いをサポートします。
国境を越えて雇用する際にコンプライアンスを確保できるよう、このチェックリストをご活用ください。
人事のサポートが必要な中小企業の経営者であれば、PEOサービスプロバイダーとの提携は一考の価値があります。計画が1か国に絞られているのであれば、PEOは堅実な選択肢になり得ます。
Remoteは現在、PEOサービスを提供していませんが、Sequoia Oneは、Remoteの人事プラットフォームと完全に統合する理想的なソリューションを提供しています。
海外雇用を検討している場合には、EORを利用すればより柔軟な対応が可能になります。
Remoteは両方の長所を兼ね備えています。当社が提供するグローバル給与処理やグローバルHRISといった専門サービスを利用することで、企業は世界中の従業員を簡単に管理できます。
また、EORサービスも提供しているため、管理やコンプライアンスの問題に煩わされず、事業拡大に注力できます。
Remoteは、企業のグローバル人事のニーズがどのようなものであれ対応し、競合他社の一歩先を行き、新たな成長の機会を引き出すサポートをします。
自社に適したアプローチがわからない場合や、Remoteのサポート内容など、詳細については、Remoteの専門担当者にぜひご相談ください。
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