イギリスにおける従業員向けストックオプション
株式報酬制度は、優秀な人材を引き付け、動機付け、維持するために非常に有効です。しかし採用が国境を越えると、税務・法令遵守・管理面で複雑さが増します。
Remoteを利用すれば、イギリスのチームメンバーに非適格ストックオプション(NSO)を簡単に付与できます。コンプライアンスや管理上の煩雑さを解消し、各段階で従業員と企業にとって明確でシンプルな運用を実現します。
非適格ストックオプション(NSO)とは
非適格ストックオプション(NSO)は株式報酬の一種で、従業員に特定数の自社株をあらかじめ定めた行使価格で購入する権利を付与する制度です。
通常は権利確定期間(Vesting period)後に行使が可能となり、その期間は従業員の在籍期間に基づくことが多いです。そのため長期的なコミットメントを促進し、従業員と企業の戦略的目標の整合に寄与します。
イギリスでNSOを受け取るには
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与対象可否 | 可能 | 可能 | 可能 |
| 難易度スコア | 難しい | 難しい | 簡単 |
契約社員にストックオプションを付与すると、イギリスで誤分類リスクが増加する可能性がある点に留意してください(ただしこれは主要因ではありません)。 Remoteによる誤分類リスク防止の仕組みをご覧ください。
イギリスにおけるNSOの課税方法
イギリスでは、NSOは以下のとおりに課税されます。
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与時 | 課税なし | 課税なし | 課税なし |
| 行使時 | EMIおよびCSOP:通常は課税なし(ただし、付与時に行使価格が実際の公正市場価格を下回る場合、または不適格事由が発生した場合は課税対象) 非EMI/CSOP:株式の公正市場価格と行使価格の差額(スプレッド)は給与所得としての課税 | 株式の公正市場価格と行使価格の差額(スプレッド)は給与所得としての課税 | 株式の公正市場価格と行使価格の差額(スプレッド)は給与所得としての課税 |
| 売却時 | 譲渡益に対するキャピタルゲイン税(CGT)適用、CGTの年間免除 | 譲渡益に対するキャピタルゲイン課税、行使時のs431選択の有無により課税扱いが異なる | 譲渡益に対するキャピタルゲイン税(CGT)適用、CGTの年間免除 |
チームメンバーに対する税制優遇措置のメリット、デメリット
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 |
| 会社の成長段階に応じて、いくつかの税制優遇制度が利用可能です。初期段階の企業向けのEMI(Enterprise Management Incentives)、後期段階の企業向けのCSOP(Company Share Option Plans)が代表例です。EMIおよびCSOPは従業員数の上限、株式の上限、勤務時間など複数の条件を満たす必要があります。税制優遇を適用するには、主要な株式報酬制度に対するサブプランの採用が必要になる点にご注意ください。 | 税制優遇制度は利用できません。ただし、権利確定前のストックオプションを早期行使("early exercise")できるようにすることは可能です。これにより税負担を軽減できる場合がありますが、管理が難しく追加の書類が必要になる場合があります。 | 税制優遇制度は利用できません。ただし、権利確定前のストックオプションを早期行使("early exercise")できるようにすることは可能です。これにより税負担を軽減できる場合がありますが、管理が難しく追加の書類が必要になる場合があります。 |
対象となる事業(者)について
もしRemote Equity Advancedを利用してイギリスのチームメンバーにストックオプションを提供する場合、親会社(すなわちトップ法人)は必ずデラウェア州で設立されている必要があります。あわせて、貴社は公開上場企業ではなく非公開企業である必要があります。