カナダにおける従業員向けストックオプション
株式報酬制度は、優秀な人材を惹きつけ、動機づけ、維持するために非常に有効な手段です。しかし、採用の国境がまたがる場合には、制度設計や税務・法令遵守が大きく複雑化します。
Remoteを利用すれば、カナダのチームメンバーに非適格ストックオプション(NSO)を簡単に付与できます。コンプライアンス上の煩雑さや管理上の手間を軽減し、各段階で明確かつシンプルに対応できます。
NSOとは何か
非適格ストックオプション(NSO)は株式報酬制度の一種です。チームメンバーに対して、行使価格と呼ばれる固定価格で一定数の自社株を購入する権利を付与します。
通常は権利確定期間終了後に行使可能となります。権利確定期間は多くの場合、在籍期間に基づいて設定されます。そのため、長期的なコミットメントを促進し、従業員と企業の戦略目標を一致させる効果があります。
カナダでNSOを受け取るには
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与対象可否 | 可 | 可 | 可 |
| 難易度スコア | 簡単 | 簡単 | 簡単 |
なお、ストックオプションを契約社員に付与することは、カナダにおける誤分類リスクを高める可能性がある点に注意が必要です(ただし、これが主要因とは限りません)。カナダの税務当局の見解には一部不一致が残っており、個別の税務アドバイスを強く推奨します。Remoteによる誤分類リスク防止の仕組みをご覧ください。
カナダにおけるNSOの課税方法
カナダでは、NSOは以下のように課税されます。
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与時 | 課税なし | 課税なし | 原則課税なし(ケースにより異なる) |
| 行使時 | スプレッドは給与所得として課税 | スプレッドは給与所得として課税 | スプレッドは給与所得として課税 |
| 売却時 | 譲渡益として課税 | 譲渡益として課税 | 譲渡益として課税 |
チームメンバーに対する税制優遇措置のメリット、デメリット
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 |
| 特別な税制優遇制度(別種の株式報酬制度)は存在しませんが、行使時の取り扱いによりスプレッドに対する課税が50%軽減される場合があります。 | 特別な税制優遇制度は存在しませんが、行使時の取り扱いによりスプレッドに対する課税が50%軽減される場合があります。 | カナダではストックオプションに対する税制優遇措置があるものの、現時点では契約社員には適用されません。 |
対象となる事業(者)について
Remote Equity Advancedを利用してカナダのチームメンバーにストックオプションを提供する場合、親会社(すなわち法人としてのトップ)がデラウェア州で設立されていることが必須です。なお、上場企業ではなく非公開会社である必要があります。