スペインにおける従業員向けストックオプション
株式報酬制度は、優秀な人材を引き付け、動機付け、維持するために非常に有効です。しかし、採用が国境を越えると、税務・法令遵守・管理面で複雑性が増します。
Remote Equityを利用すれば、スペインのチームメンバーに非適格ストックオプション(NSO)を簡単に付与できます。コンプライアンスや管理上の煩雑さを解消し、付与から行使、売却に至る各段階で明確さとシンプルさを提供します。
非適格ストックオプション(NSO)とは
NSOは株式報酬制度の一種で、従業員にあらかじめ定めた行使価格で一定数の株式を購入する権利を付与する仕組みです。
通常、権利確定期間(ベスティング期間)経過後に行使可能となり、在職期間に基づいて付与されることが多いです。そのため、長期的なコミットメントの促進と企業戦略との利害一致に適しています。
スペインでNSOを受け取るには
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与対象可否 | 可 | 可 | 可 |
| 難易度スコア | 難しい | 難しい | 簡単 |
契約社員へのストックオプション付与は主要因ではないものの、スペインで誤分類リスクを高める可能性がある点に注意が必要です。Remoteによる誤分類リスク防止の仕組みをご覧ください。
スペインにおけるNSOの課税方法
スペインでは、NSOの課税は以下のとおりです。
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与時 | 課税なし | 課税なし | 課税なし |
| 行使時 | 株式の公正市場価値と行使価格の差額(スプレッド)、居住地に応じた累進所得税、社会保険料の適用 | 株式の公正市場価値と行使価格の差額(スプレッド)、居住地に応じた累進所得税、社会保険料の適用 | 株式の公正市場価値と行使価格の差額(スプレッド)、契約社員の居住地に応じた累進所得税、社会保険料の適用 |
| 売却時 | 譲渡益として課税 | 譲渡益として課税 | 譲渡益として課税 |
なお、一定額を超えて行使した場合、受給者が税務当局へ年次の税務情報報告書を提出する必要が生じる場合があります。これは報告義務のみであり、税金の納付義務は発生しません。
チームメンバーに対する税制優遇措置のメリット、デメリット
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 |
| 従業員は一定の条件下で行使時のスプレッド課税について軽減措置を受けられる場合があり、課税対象となる利益の一定割合が非課税となることがあります。さらに、譲渡益は給与所得より税率が低い点も税務上のメリットです。一般的に税務面では早めに行使するほど有利で、行使から売却までの間に生じた株価の上昇分は譲渡益として低い税率が適用されます。 | EOR従業員も一定の条件や制限のもとで、行使時の課税対象となる利益の一部について非課税の恩恵を受けられる場合があります。譲渡益の税率が給与より低い点は同様に有利で、原則として早期行使が税務上有利となります。 | 契約社員は一定の条件や制限のもとで、行使時の課税対象となる利益の一部について非課税の恩恵を受けられる場合があります。譲渡益が給与所得より税率が低い点もメリットであり、税務上は早めに行使するほど有利となる場合が多いです。 |
対象となる事業(者)について
スペイン拠点のチームメンバーにストックオプションを付与するためにRemote Equity Advancedを利用する場合、親会社(最上位の法人)はDelaware州で設立されていることが必須です。また、上場企業ではなく非公開企業である必要があります。