ウクライナにおける従業員向けストックオプション
株式報酬制度は、優秀な人材の引き付け、動機付け、維持に極めて有効な手段です。ただし、採用国をまたぐと規制や税務が複雑化します。
Remoteを利用すれば、ウクライナのチームメンバーに非適格ストックオプション(NSO)を簡単に付与できます。コンプライアンスや事務負担を増やすことなく、各段階で明瞭な運用が可能です。
NSOとは
NSOは株式インセンティブの一種で、チームメンバーに行使価格で一定数の自社株を購入する権利を与える制度です。
通常は権利確定期間(在籍期間に基づくことが多い)経過後に行使されます。そのため長期的なコミットメントの促進や企業の戦略目標との利害一致に有効です。
ウクライナでNSOを受け取るには
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与対象可否 | 可能 | 可能 | 可能 |
| 難易度スコア | 簡単 | 簡単 | 簡単 |
契約社員にストックオプションを付与すると、ウクライナで誤った分類(misclassification)リスクが高まる可能性がある点に注意が必要です(主原因ではありません)。Remoteによる誤分類リスク防止の仕組みをご覧ください。
ウクライナにおけるNSOの課税方法
ウクライナでは、NSOの課税は以下のとおりです。
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与時 | 課税なし | 課税なし | 課税なし |
| 行使時 | 規定未確定で行使時に課税なし見込み | 規定未確定で行使時に課税なし見込み | 規定未確定で行使時に課税なし見込み |
| 売却時 | 譲渡益課税 | 譲渡益課税 | 譲渡益課税 |
ウクライナの現状により、チームメンバーがウクライナの銀行口座からストックオプションの行使に必要な資金を送金できない可能性があります。
行使時にこの制限が継続している場合は、チームメンバーが「cashless exercise」または「net exercise」によって行使できるようにすることを推奨します。この方法では、通常購入できる株式の一部を差し引いて行使代金を相殺するため、現金を支払う必要がなく、受け取る株式数が減ります。
チームメンバーに対する税制優遇措置のメリット、デメリット
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 |
| 税制優遇制度なし、未権利オプションのearly exercise(早期行使)許可により課税軽減の可能性、管理困難と追加書類の必要性 | 税制優遇制度なし、未権利オプションのearly exercise(早期行使)許可により課税軽減の可能性、管理困難と追加書類の必要性 | 税制優遇制度なし、未権利オプションのearly exercise(早期行使)許可により課税軽減の可能性、管理困難と追加書類の必要性 |
対象となる事業(者)について
Remote Equity Advancedを利用してウクライナのチームメンバーにストックオプションを付与する場合、最上位の法人(親会社)がデラウェア州で設立されていることが必須です。さらに、会社は公開企業ではなく非公開である必要があります。