アイルランドにおける従業員向けストックオプション
株式報酬制度は、優秀な人材を引き付け、動機付け、維持する上で非常に有効な手段です。しかし、採用が国境を越えると、税務や法令遵守の複雑性が高まることがあります。
Remoteを利用すれば、アイルランドのチームメンバーに非適格ストックオプション(NSO)を簡単に付与できます。コンプライアンス上の煩雑さや管理上の手間を削減し、付与から行使、売却まで各段階で明確さと簡潔さを提供します。
非適格ストックオプション(NSO)の概要
非適格ストックオプション(NSO)は株式報酬の一種で、チームメンバーに一定数の自社株をあらかじめ定めた行使価格で購入する権利を付与する仕組みです。
通常は権利確定期間の経過後に行使可能となり、この期間は在籍期間に基づいて設定されることが多いです。そのため、長期的なコミットメントの促進や企業の戦略目標との利害一致に有効です。
アイルランドでNSOを受け取るには
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与対象可否 | 可 | 可 | 可 |
| 難易度スコア | 簡単 | 簡単 | 難しい |
アイルランドでは、ストックオプションを契約社員に付与すると誤分類リスクが高まる可能性がある点にご留意ください(主要因ではないものの)。Remoteによる誤分類リスク防止の仕組みをご覧ください。
アイルランドにおけるNSOの課税方法
アイルランドでのNSOの課税は、以下のとおりです。
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 | |
| 付与時 | 通常、付与時の課税なし(特定条件下で課税される場合あり) | 通常、付与時の課税なし(特定条件下で課税される場合あり) | 行使時の利益の税務取扱いは契約社員の個別事情によるため明確な法令や指針なし、契約社員への付与は一般的でないため個人の税理士への相談推奨、行使時に課税(スプレッドを営業所得として申告)、売却時に課税(譲渡益として申告)の可能性あり |
| 行使時 | スプレッドを給与所得として課税(スプレッド=行使時の公正市場価格と行使価格の差額) | スプレッドを給与所得として課税(スプレッド=行使時の公正市場価格と行使価格の差額) | |
| 売却時 | 譲渡益として課税 | 譲渡益として課税 |
チームメンバーに対する税制優遇措置のメリット、デメリット
| 正社員 | EOR従業員 | 契約社員 |
| 未権利確定のストックオプションの早期行使(early exercise)を許可可能、税負担軽減の可能性ありが管理が難しく追加書類が必要となる場合あり | 未権利確定のストックオプションの早期行使(early exercise)を許可可能、税負担軽減の可能性ありが管理が難しく追加書類が必要となる場合あり | アイルランドに明確な税制優遇制度なし |
対象となる事業(者)について
アイルランド在籍のチームメンバーにストックオプションを提供するためにRemote Equity Advancedを利用する場合、最上位の法人(親会社)はDelawareで設立されていることが必須です。さらに、上場企業ではなく非公開企業であることが必要です。