欧州のライフワークバランス指数 2025
2025年、ライフスタイルを見直して新天地へ移住することを検討していますか?ライフワークバランスが最も良いヨーロッパの国々をご覧ください。
ヨーロッパのライフワークバランスが優れた国々が際立つ理由
当社の最近の グローバル・ライフワーク・バランス指数が示したように、ヨーロッパはライフワークバランスにおいて最も先進的な大陸です:今年のグローバル調査でトップ10にランクインした7カ国がヨーロッパ諸国であり、トップ20にはヨーロッパ諸国が16カ国を占めています。
それでは、ヨーロッパ諸国の中で特に際立っているのはどの国でしょうか?一部の国では従業員中心の強力な政策を実施している一方、他の国ではより制限的な、あるいは時代遅れの取り組みが採用されています。 ヨーロッパはライフワークバランスにおいて先進的ではありますが、それでも企業が従業員の幸福を軽視してよい理由にはなりません。
2022年に欧州を代表する調査を開始して以来、当社は毎年、その報告書を精査・発行し、欧州におけるライフワークバランスの変化に焦点を当てています。上位にランクインしている国々は、法定の年次有給休暇や産休手当といった分野で優れているのが一般的であり、公共の安全や医療制度といった要素も、人を第一に考える姿勢を示す重要な指標となっています。
2025年にヨーロッパ諸国への移住の準備をしていますか?人生を第一に、仕事を第二に考える国はどこか、見てみましょう。
2025年版、ライフワークバランスが最も優れているヨーロッパの国々
法定休暇日数、最低賃金、医療へのアクセス、平均労働時間など、職場環境におけるさまざまな重要な要素を評価したうえで、ヨーロッパ各国に100点満点でスコアを付けました。最高得点の国から順に、ヨーロッパ各国のライフワークバランスのランキングをご紹介します。
|
Rank |
Country & Capital City |
2025 Country Population |
Index Score / 100 |
Statutory annual leave |
Minimum statutory sick pay percentage |
Paid maternity leave and payment rate |
Minimum wage |
Healthcare system |
Happiness index |
Average hours per week per employed person |
LGBTQ+ Inclusivity |
Safety: Global Peace Index Ranking |
Mimimum wage (local currency per hour unless otherwise stated) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
1 |
5,308,040 |
82.89 |
20 10 |
70 - 100% |
26 70 |
13.96 |
Universal government-funded health system |
6.89 |
34.30 |
72 |
1.12 |
|
|
|
2 |
398,266 |
77.98 |
24 16 |
80 - 100% |
26 80 |
0 |
Universal government-funded health system |
7.52 |
35.20 |
94 |
1.11 |
0 |
|
|
3 |
11,758,600 |
76.41 |
20 10 |
80 - 100% |
15 75 |
14.58 |
Public insurance system |
6.91 |
34.10 |
74 |
1.51 |
|
|
|
4 |
6,002,510 |
74.24 |
25 10 |
80 - 100% |
18 100 |
0 |
Universal government-funded health system |
7.52 |
32.50 |
80 |
1.38 |
0 |
|
|
5 |
84,075,100 |
73.14 |
20 9 |
80 - 100% |
14 100 |
15.16 |
Public-private social insurance system |
6.75 |
33.20 |
81 |
1.54 |
|
|
|
6 |
2,117,070 |
71.89 |
20 15 |
80 - 100% |
15 100 |
7.64 |
Public insurance system |
6.79 |
37.60 |
66 |
1.40 |
|
|
|
7 |
5,623,330 |
71.84 |
24 14 |
80 - 100% |
15 80 |
0 |
Universal government-funded health system |
7.74 |
33.80 |
74 |
1.47 |
0 |
|
|
8 |
5,623,070 |
71.77 |
25 10 |
80 - 100% |
49 100 |
0 |
Universal government-funded health system |
7.26 |
32.60 |
87 |
1.64 |
0 |
|
|
9 |
10,411,800 |
70.67 |
22 13 |
Less than 60% of wages |
6 100 |
5.60 |
Universal government-funded health system |
6.01 |
37.20 |
76 |
1.37 |
|
|
|
10 |
47,890,000 |
70.13 |
23 8 |
Less than 60% of wages |
16 100 |
8.39 |
Universal government-funded health system |
6.47 |
36.30 |
83 |
1.60 |
|
|
|
11 |
680,453 |
69.79 |
26 11 |
80 - 100% |
16 100 |
15.9 |
Public insurance system |
7.12 |
35.30 |
67 |
- |
|
|
|
12 |
18,346,800 |
68.74 |
20 11 |
60 - 79% |
16 100 |
11.98 |
Private health insurance system |
7.31 |
30.50 |
78 |
1.53 |
|
|
|
13 |
69,551,300 |
67.75 |
20 8 |
£99.35 per week |
39 100 |
15.67 |
Universal government-funded health system |
6.73 |
35.08 |
69 |
1.70 |
|
|
|
14 |
9,113,570 |
66.31 |
25 13 |
80 - 100% |
16 100 |
0 |
Public-private insurance system |
6.81 |
33.50 |
75 |
1.12 |
0 |
|
|
15 |
66,650,800 |
65.00 |
25 11 |
Less than 60% of wages |
16 100 |
14.05 |
Social insurance system |
6.59 |
35.50 |
74 |
2.09 |
|
|
|
16 |
3,848,160 |
64.44 |
20 14 |
60 - 79% |
14 100 |
6.55 |
Public insurance system |
5.87 |
37.60 |
56 |
1.50 |
|
|
|
17 |
1,344,230 |
63.98 |
28 12 |
Less than 60% of wages |
14.3 100 |
5.48 |
Public insurance system |
6.42 |
35.80 |
62 |
1.62 |
|
|
|
18 |
545,405 |
63.65 |
24 14 |
80 - 100% |
13 100 |
5.74 |
Universal government-funded health system |
6.32 |
37.20 |
80 |
- |
|
|
|
19 |
9,632,290 |
63.26 |
20 15 |
60 - 79% |
24 100 |
4.42 |
Public insurance system |
5.92 |
37.20 |
51 |
1.50 |
|
|
|
20 |
38,140,900 |
62.27 |
20 13 |
80 - 100% |
20 100 |
6.97 |
Public insurance system |
6.67 |
38.60 |
50 |
1.68 |
|
|
|
21 |
10,656,600 |
61.08 |
25 16 |
60 - 79% |
14 75 |
0 |
Universal government-funded health system |
7.35 |
34.50 |
73 |
1.78 |
0 |
|
|
22 |
10,609,200 |
60.60 |
20 13 |
60 - 79% |
28 70 |
4.79 |
Multi-payer social insurance system |
6.78 |
37.40 |
66 |
1.46 |
|
|
|
23 |
2,830,140 |
60.19 |
20 16 |
60 - 79% |
18 80 |
6.9 |
Public insurance system |
6.83 |
38.00 |
48 |
1.67 |
|
|
|
24 |
6,714,560 |
58.89 |
20 14 |
60 - 79% |
58 90 |
3.59 |
Public insurance system |
5.55 |
38.90 |
39 |
1.63 |
|
|
|
25 |
9,938,840 |
58.31 |
20 12 |
Less than 60% of wages |
43 66.67 |
6.60 |
Universal government-funded health system |
5.78 |
39.81 |
64 |
1.79 |
|
|
|
26 |
59,146,300 |
58.01 |
22 13 |
Less than 60% of wages |
21 80 |
0 |
Universal government-funded health system |
6.42 |
36.00 |
67 |
1.69 |
0 |
|
|
27 |
8,967,410 |
57.89 |
20 4 |
80 - 100% |
8 100 |
0 |
Private health insurance system |
6.94 |
35.30 |
70 |
1.35 |
0 |
|
|
28 |
1,813,790 |
57.63 |
20 24 |
80 - 100% |
26 100 |
2.19 |
Public insurance system |
5.5 |
39.00 |
47 |
1.76 |
|
|
|
29 |
1,853,560 |
56.71 |
20 14 |
60 - 79% |
16 80 |
4.4 |
Public insurance system |
6.21 |
38.00 |
49 |
1.66 |
|
|
|
30 |
2,771,510 |
56.19 |
22 14 |
80 - 100% |
52 50 |
2.42 |
Universal government-funded health system |
5.41 |
42.00 |
46 |
1.81 |
|
|
|
31 |
5,474,880 |
53.79 |
20 15 |
Less than 60% of wages |
34 65 |
4.86 |
Public-private insurance system |
6.22 |
37.70 |
50 |
1.63 |
|
|
|
32 |
18,908,600 |
53.53 |
20 17 |
60 - 79% |
16 50 |
4.58 |
Public insurance system |
6.56 |
38.70 |
45 |
1.76 |
|
|
|
33 |
3,140,100 |
53.05 |
20 4 |
80 - 100% |
52 100 |
4.11 |
Public insurance system |
6.14 |
41.30 |
49 |
1.96 |
|
|
|
34 |
6,689,040 |
52.30 |
20 10 |
60 - 79% |
52 100 |
2.73 |
Public insurance system |
6.61 |
41.00 |
48 |
1.93 |
|
|
|
35 |
632,729 |
51.89 |
21 0 |
60 - 79% |
52 100 |
3.58 |
Public insurance system |
5.88 |
43.50 |
54 |
1.75 |
|
|
|
36 |
82,904 |
50.84 |
31 14 |
Less than 60% of wages |
20 100 |
8.66 |
Public insurance system |
- |
- |
80 |
- |
|
|
|
37 |
38,341 |
50.44 |
30 12 |
Less than 60% of wages |
18 90 |
12.94 |
Public insurance system |
- |
- |
54 |
- |
|
|
|
38 |
2,996,110 |
49.23 |
28 13 |
60 - 79% |
18 100 |
1.74 |
Public insurance system |
5.82 |
39.40 |
36 |
1.98 |
|
|
|
39 |
38,980,400 |
47.84 |
18 12 |
Less than 60% of wages |
18 100 |
1.42 |
Universal government-funded health system |
4.68 |
39.00 |
49 |
3.28 |
|
|
|
40 |
143,997,000 |
45.18 |
20 14 |
60 - 79% |
20 100 |
1.76 |
Public insurance system |
5.95 |
39.27 |
27 |
3.25 |
|
|
|
41 |
8,997,600 |
43.43 |
24 9 |
80 - 100% |
18 100 |
1.32 |
Universal government-funded health system |
- |
39.10 |
27 |
2.29 |
|
|
|
42 |
33,572 |
37.31 |
10 0 |
80 - 100% |
21.4 100 |
0 |
Universal government-funded health system |
- |
- |
67 |
- |
|
|
|
- |
40,128 |
34.07 |
20 15 |
80 - 100% |
8 80 |
0 |
Private health insurance system |
- |
- |
68 |
- |
0 |
ヨーロッパにおけるライフワークバランスの優れた国トップ10
1.アイルランド
総合指数スコア:82.89
2024年に大幅な順位上昇を果たし、1位の座を維持しているアイルランドは、ヨーロッパで最も住みやすく働きやすい国として依然としてトップの座に君臨しています。実際、エメラルドの島(アイルランド)は、今年ライフワークバランスのスコアを4ポイント以上伸ばしました。これは、安全性スコアのさらなる向上(世界平和指数ではアイルランドがヨーロッパでも特に安全な国のひとつと評価)と、平均週労働時間の減少によるものです。
勤勉でありながら温かく、包括的な職場文化を持つアイルランドは、幸福度指数も高く、ヨーロッパで最も幸せな国のひとつです。そして、生活費は比較的高い(特にダブリンなどの都市では)ものの、これは手厚い最低賃金によって相殺されています。1時間あたり13.96ドルに相当するアイルランドの賃金は、ヨーロッパで6番目に高い水準です。
2.アイスランド
総合指数スコア:77.31
たった1文字の子音(と、およそ1,400キロの冷たい海)しか隔てられていないアイルランドとアイスランドですが、この2カ国はライフワークバランスに対する考え方もよく似ています。アイスランドの人口は他のヨーロッパ諸国と比べると比較的少なく(約39万8,000人)見えますが、それでもヨーロッパでもっとも従業員に優しい国のひとつです。
実際、「火と氷の国」と呼ばれるアイスランドは、ヨーロッパで最も安全かつLGBTQ+フレンドリーな国として高く評価されています。さらに、北欧の多くの隣国と同様、ヨーロッパで最も幸福な国の一つでもあります。この点でアイスランドを上回っているのはフィンランドのみであり、アイスランドの高い満足度は、年間38日の非常に手厚い有給休暇制度に支えられていると考えられます。
3.ベルギー
総合指数スコア:76.41
2024年の第4位から1つ順位を上げ、今年のランキングで第3位となったベルギーは、ライフワークバランスにおいてヨーロッパ屈指の優良国としての評価を着実に確立しつつあります。 ベルギーは、特定の指標でトップの座を獲得しているわけではありませんが、あらゆる分野で一貫して高い評価を得ています。世界有数のチョコレート大国であることも、きっと一役買っていることでしょう。
ヨーロッパ諸国の中で、ベルギーの最低賃金(時給換算で約14.58ドル)を上回るのは、ルクセンブルク、イギリス、ドイツの3カ国だけです。ベルギーでは平均労働時間がわずか週34.1時間と短く、仕事以外の活動に充てられる時間もたっぷり確保されています。また、北欧諸国を除けば、国民の幸福度スコアもヨーロッパでトップクラスに位置しています。
4.デンマーク
総合指数スコア:74.24
デンマークは高い生活の質で知られており、それには十分な理由があります。何しろ、「ヒュッゲ(hygge)」という心地よさを大切にする概念を世界に広めた国なのです。ちなみに、デンマーク人は「人生と仕事を完璧に両立させる達人」としても知られており、これはデンマーク出身の俳優マッツ・ミケルセンの言葉にも表れています。
まず、デンマークは国民の幸福度においてフィンランドに次ぐ第2位(アイスランドと同順位)にランクインしており、さらに平均週労働時間はわずか32.5時間と、ヨーロッパで2番目に短い水準です。より多くの自由時間を楽しんでいるのはオランダ人だけです。デンマークの法定年次休暇、病気休暇、出産休暇に関する政策も、ヨーロッパで最も手厚いもののひとつです。
5.ドイツ
総合指数スコア:73.48
典型的なドイツの職場をどう表現するか尋ねれば、多くの人が「実務的」「時間に正確」「プロフェッショナル」といった言葉を挙げることでしょう。しかし、これらの特徴はドイツの労働文化の象徴としてよく認識されていますが、ドイツは健康的なライフワークバランスでも同様に知られるようになってきています。
今年順位を2つ上げたドイツの好成績は、法定病気手当の引き上げに加え、安全性や幸福度、LGBTQ+ 包摂性の大幅な改善によるところが大きいとされています。ドイツは、ヨーロッパでも最高水準の最低賃金(時給換算で約15.16ドル、ヨーロッパで第3位)を誇るとともに、平均週労働時間も33.2時間と大陸内で最も短い水準のひとつです。
6スペイン
総合指数スコア:71.79
一年を通してほぼ晴天に恵まれ、ヨーロッパ屈指の美食と、午後の“シエスタ”があるかもしれない(ないかもしれない)ゆったりとした文化を持つスペインは、従業員のウェルビーイングにおいてヨーロッパを代表する国のひとつとして、確かな評価を築きつつあります。実際、スペインは2024年の第10位から今年は第6位へと4つ順位を上げ、トップ10の中で最も大きくランクアップした国となりました。
スペインの平均労働時間は、多くのヨーロッパ諸国と比較するとかなり長い(36.3時間)ですが、法定の年次休暇制度(公休日を含む36日間の有給休暇)は、ヨーロッパでも最も手厚いもののひとつです。スペインには強力な外国人居住者コミュニティがあり、恵まれた気候とあわせて、移住を検討している人々にとって大きな魅力となっています。
7.ノルウェー
総合指数スコア:71.77
今年は順位を一つ落としたものの、「白夜の国」ノルウェーは今なお、包摂的で力強い職場文化の象徴として広く知られています。冬は長く暗く、生活費も安くはありませんが、ノルウェーは高い生活水準と「人生を第一に考える」姿勢を誇り、屋外で過ごす時間は欠かせないものとされています。
トップ10入りした国々の中で、ノルウェー(平均労働時間32.6時間)より労働時間が短いのはデンマークのみです。また、ノルウェーはアイスランドに次いで、ヨーロッパで2番目にLGBTQ+に優しい国とされています。そして「ヴァイキングの故郷」とされる周辺諸国と同様に、ノルウェーもヨーロッパで最も満足度の高い国の一つであり、幸福度スコアは9.39を記録しています。
8.スロベニア
総合指数スコア:71.22
2025年に9位から1つ順位を上げたスロベニアは、海外での就職を考える際に真っ先に思い浮かぶ国ではないかもしれませんが、決して見過ごすべきではありません。ヨーロッパでも屈指の美しく多様な自然風景(ブレッド湖は必見)を誇るだけでなく、生活コストが比較的抑えられており、労働者に優しい国でもあるからです。
唯一の難点は、スロベニアの平均労働時間(週37.6時間)がトップ10の中で最も長いことですが、その一方で、法定休暇は比較的充実しており、病気休暇や産休に対する手当も手厚く支給されています。また、スロベニアはヨーロッパで最も治安の良い国のひとつとされており、海外駐在の家族にとっても安心して暮らせる選択肢となり得ます。
9.フィンランド
総合指数スコア:71.18
フィンランドといえば「幸福」の代名詞です。過去8年連続で「世界一幸福な国」 に選ばれているフィンランドの人々の満足感は、低い犯罪率、高水準の教育、ジェンダー平等、充実した社会保障制度、そして自然の中を自由に歩ける「すべての人の権利(Everyman’s Right)」といった、さまざまな要素の組み合わせによって支えられています。
フィンランドの職場文化も、その高い幸福度を支える大きな要因のひとつと考えられており、自由な時間は不可欠なものとされています。平均労働時間は週33.8時間とヨーロッパでも特に短く、年間36日の法定有給休暇が付与されるなど、フィンランドは従業員が休暇を取得しやすい、非常に手厚い制度を持つ国のひとつです。
10.ルクセンブルク
総合指数スコア:69.79
1人当たりGDPで世界有数の裕福な国であるルクセンブルクは、決して生活費が安い国ではありません。少なくともある調査によれば、ルクセンブルクはEU加盟国の中で最も生活費が高い国とされています。しかし、ヨーロッパ諸国の中で最も高い最低賃金(15.90 ドル相当)を従業員に提供しており、給与はインフレに応じて自動的に調整されます。
今年のランキングではわずかに順位を下げたものの、ルクセンブルクは依然として、法定年次休暇の面でヨーロッパで最も手厚い国のひとつです(従業員は毎年37日間の休暇を取得できます)。また、ルクセンブルクの労働者の約4分の3が外国人であるとの報告もあり、真に国際的な職場文化が根付いています。
以前の結果と比べてみたい方はこちら。
2025年にライフワークバランスが改善したヨーロッパの国はどこでしょうか?逆に、後退した国は?Remoteの過去の調査結果をダウンロードして、各国のランキングの推移をご確認ください。
2025年 ヨーロッパにおける最優秀国
2年連続で、アイルランドはヨーロッパで最もライフワークバランスが優れた国としてランクインしました。同国の2025年のスコアは、公共の安全スコアの向上と平均労働時間の短縮により、4ポイント以上向上しました。
世界でも最も幸せで従業員に優しい国として知られるアイスランド、デンマーク、ノルウェー、フィンランドは、すべライフてワークバランスのランキングでトップ10に入っています。アイスランドは2位、デンマークもトップ5に入っています。
昨年4位だったベルギーは、2025年に初めてトップ3入りを果たしました。この国では最低賃金が大幅に上昇し、現在ではルクセンブルク、イギリス、ドイツに次ぐヨーロッパで最も高い水準となっています。
2025年 ヨーロッパにおける最優秀国
ヨーロッパのライフワークバランス:注目のハイライト
オランダは、平均労働時間がわずか 30.5 時間で、ヨーロッパ諸国の中で最も短い労働時間を誇っています。これに対し、モンテネグロはヨーロッパで最も労働時間の長い国であり、モンテネグロの従業員は週平均 43.5 時間働いています。
世界平和指数によると、アイスランドはヨーロッパで最も安全な国であり、世界でも最も安全な国です。そのため、アイスランドは暮らしや仕事に理想的な場所です。オーストリアとアイルランドも、家族連れにとって非常に安全な国として知られています。
フィンランドは、男女平等と社会的支援を重視する姿勢で、ヨーロッパで最も幸せな国としての評判を維持しています。デンマーク、アイスランド、スウェーデン、オランダ、そしてノルウェーも、ヨーロッパで最も満足度の高い国々のひとつに数えられています。
ヨーロッパのライフワークバランス:注目のハイライト
2025年のライフワークバランスの変化
5ポイント以上の改善により、リトアニアは2024年の30位から今年は22位に上昇しました。これは主に、最低賃金の引き上げ、労働時間の短縮、LGBTQ+ の包摂性の向上によるものです。
イギリスは今年、最も大きな好転を見せた国のひとつで、スコアは5.63ポイントも上昇しました。18位から12位へと順位を上げたイギリスの躍進は、最低賃金の引き上げと公共の安全性スコアの上昇が一因とされています。
ヨーロッパで最も幸福な国のひとつであり続けているスウェーデンですが、2025年には大きく順位を落とし、16位から24位へと後退しました。この順位低下の一因としては、公共の安全性の低下や、LGBTQ+ 包摂性の低下といった認識の広がりが挙げられます。
2025年のライフワークバランスの変化
Remoteと一緒に、新しい国での暮らしを始めましょう
ヨーロッパにおけるワークライフバランス:本当の意味
2025年、私たちの「暮らし方」と「働き方」をめぐる議論は、言葉の上だけでなく、本質的なレベルで大きく変化しています。私たちはもはやワークライフバランスについて話しません。私たちはライフワークバランスについて話しています。急速な技術革新と社会的価値観の変化が進む今、私たちの優先すべきものは明確になりました——それは、「人生を第一にすること」です。仕事は人生の一部に過ぎず、人生そのものを犠牲にすべきではありません。
ヨーロッパ全体で、政府、企業、そして働く人々自身が、「よりよく生き、働く」とは何かを再定義しつつあります。ライフワークバランスは現在、 従業員のグローバルな最優先事項のトップとなり、給与を上回っています。人々は、家族を大切にする時間、自分の情熱を注げることに取り組む時間、そして心身をリフレッシュする時間を求めています。人々は、自分が最も生産的になれる時間と場所で働ける自由を求めています。また、人々は業務時間外に仕事から切り離される権利を守る制度を望んでいます。
もちろん、Remote では、ライフワークバランスは文化によって人によって意味が異なることを認識しています。本調査の目的は、画一的な定義を提示することではなく、ヨーロッパ各国における健全なライフワークバランスを支える法定福利制度や職場環境の仕組みを明らかにすることにあります。
仕事はどこにでも存在し、常に“オン”の状態に
ハイブリッドワークやリモートワークの普及に伴い、私たちの自宅がオフィスとなり、9時から5時までの勤務形態は急速に消えつつあります。柔軟性は自由をもたらしますが、同時にスイッチを切ることも難しくなっています。明確な境界がない場合、バーンアウトのリスクが高まります。
従業員が求めているのは、もはや給与だけではない
当社の最近のグローバル労働力レポートによると、約3分の2の企業が、柔軟な働き方に関する要望の増加を実感しています。多くの従業員にとって、柔軟な働き方やウェルビーイング(心身の健康)は、いまや給与以上に重要な動機付け要因となっています。
経済の不透明感が労働者を圧迫
生活費の高騰、インフレ、雇用の不安により、多くの人々が生活維持のために無理を余儀なくされています。こうした状況下において、健全なライフワークバランスは、慢性的なストレスや不安、そして長期的な燃え尽き(バーンアウト)を防ぐための重要な緩衝材となり得ます。
テクノロジーが変化を加速
AI が効率を向上させている一方で、適応とスキルの向上の必要性も高まっています。従業員は今、変化と新たな機会に向き合っており、休息とリフレッシュの時間を通じた精神的な回復力の強化が、かつてないほど求められています。
介護や育児などのケア責任が増加
子育てであれ、高齢の家族の介護であれ、ケアは何百万人もの人々にとって生活の中心的な役割を担っています。2025年、ほとんどの世帯は仕事と何らかのケアを両立させており、支援政策がなければ、必ず何かが犠牲になる状況になっています。
文化的価値観は変化しつつある
若い世代は、働きづめを美徳とする「ハスル文化」に疑問を投げかけています。仕事中心の人生ではなく、自分らしい生き方を支えるキャリアを重視しています。そして、先見の明のある企業や国々が、特にヨーロッパ全域で、この声に耳を傾けています。
「2025年現在、生産性の向上が健康や私生活を犠牲にすべきものだという考え方は、真剣に見直され始めています。この傾向はヨーロッパで特に顕著であり、政策にも「人は機械ではない」というシンプルな真実が反映され始めています。しかし、ライフワークバランスとは、単に労働時間を減らすことだけではありません。従業員には、人生を充実させるための「時間」と「余裕」、そして「信頼」が与えられるべきです。仕事以外の生活も尊重されていると感じると、人々はより集中力と回復力を持って仕事に臨むようになります。そして、それは明らかにビジネスにとって良いことです。」
Barbara Matthews – 最高人事責任者
しかし、ヨーロッパがワークライフバランスの面で間違いなく先駆者である一方で、すべての地域が同ペースで進んでいるわけではありません。長時間労働と休暇の少なさが依然として当たり前となっている国では、バーンアウトは常にその影を落としています。制度的な変革がなければ、これらの国々は、疲弊し幻滅した労働力による人材流出や経済の停滞というリスクに直面することになります。
Remote では、ライフワークバランスは決して贅沢なものであってはならないと考えています。人は、その仕事から完全に離れて自由に過ごすことができるとき、最高のパフォーマンスを発揮します。
欧州のライフワークバランス指数調査方法
グローバルHR専門会社Remoteは、ヨーロッパ諸国のインデックスデータを分析し、従業員に最高のライフワークバランスを提供している国を調査しました。
この調査では、以下の指標について検証しました。
- 法定年次休暇(祝日を含む有給休暇の合計日数)
- 法定最低病気手当(賃金に対する割合または定額)
- 法定産前産後休暇(有給週数)
- 法定の出産休暇の支給率(賃金の割合)
- 最低賃金(米ドル/時給)
- 医療制度の整備状況
- 幸福度指数(1~10、10が最高)
- 従業員1人あたりの週平均労働時間
- LGBTQ+ の包摂性(0~100、100 が最高値で、LGBTQ+ の人々が持つ法的権利と自由を反映する「法的指数」と、各地域における一般市民の意識を反映する「世論指数」で評価されています。)
- 治安:世界平和指数(1~4、低いほど良い)
本調査の目的は、各国のライフワークバランスを正確に反映することにありました。「ワークライフバランス」というおなじみの概念に少し手を加え、企業が従業員の“仕事よりも人生”を大切にしている様子、そして従業員の生活をどのように支えているかを示すために、「ライフワークバランス」という視点で表現しています。
各指標には、それぞれの相対的な重要性を反映するように重み付けを行い、最終的に各国に100点満点でスコアを算出しました。すべてのデータ項目は基本的にスコアの高い順にランク付けされていますが、例外として、医療評価は5段階評価(1が最も優れている)、平均週労働時間と安全性スコアについては数値が低いほど順位が高くなるように評価されています。データは 2025 年 4 月から 6 月にかけて収集、分析されました。
なお、このスコアは加重インデックスに基づいており、各国がリスト内の他国とどのように比較されるかによって算出されています。そのため、各地域リストごとに固有の比較結果が示されます。したがって、欧州ランキングとグローバルランキングで各国に付与される指数スコアは異なります。